Engageは一般に「仕事に従事する」という意味だ。
ギャラップのThe World's Broken Workplace(世界の破たんした職場)という記事に次の一文がでていた。
A staggering 94% of Japanese workers are not engaged at work.この文章をグーグルの翻訳で訳してみると「日本人労働者の94%が仕事に就いていません。」という訳が出てくる。どういう訳かstaggering(驚くべきことに)は訳出されないが。
しかしこれでは意味は通じない。意味の通じる訳は「驚くべきことに日本の労働者の94%は仕事に没頭していない」だろう。
これは日本では6%の人しか仕事に没頭していないということを意味する。ギャラップがどのような方法で調査を行ったのか分からないが、フルタイムで働いている人について、全世界ベースでは仕事に没頭している人は15%で米国では30%だとギャラップは報じている。
これに較べて日本の6%という数字はいかにも低いし、多くの読者の方の共感を得る数字ではないだろうと思う。
ただそのことはここでは取り上げない(取り上げたくても反論するデータがないので)。
ここではギャラップ(書き手はJim Cliftonという人)の「世界的な一人当たりGDPや生産性の低下傾向の原因は仕事に没頭する従業員が少ないことで、その原因は団塊世代とミレニアル世代(1980年~96年に生まれた世代)の間の上司に対する考え方のギャップである」という主張を見てみたい。
Clifton氏は「世界中で仕事場は劇的に変化しているのに、マネジメント慣行は30年以上凍結されたままだ」という。
同氏はアメリカの「団塊世代(ベビーブーマー)にとって仕事は仕事。家族を持ち、自宅を構えることがアメリカンドリームだった」が「ミレニアム世代にとって、仕事は家族同様にそして時には家族より重要だと考えている」と述べる。
ミレニアム世代は「意味のある仕事をして、自分の成長と発展を生み出す何かを職場から引き出したい」と考えているという。
若い世代が期待しているのは「命令・統制型」の上司ではなく、「好業績の上げ方を教えるコーチ型」の上司だというのだ。若い世代の人の中には、会社そのものに対する失望ではなく、上司に対する失望から離職する人も多いようだ。
昨日トランプ大統領は「徒弟制度を促進する」大統領令に署名した。徒弟制度の中にはコーチ型の上司が含まれると考えると興味深いアプローチだと思う。
日本の職場も同じような問題を抱えているのだろうか?
もし同じような問題を抱えているとすれば、上司の在り方を変えることで、若い世代のやる気を引き出し、Engagedな社員を増やすことで生産性を高めることが、労働力が減少する中で喫緊の課題だと思う。
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