ハイテク株の低迷が続く中で、アマゾンが長打を打った。
昨日(6月16日)アマゾンは自然食品スーパーマーケットチェーン・ホールフーズマーケットを137億ドルで買収すると発表した。
ホールフーズは、今年に入って8%の株を取得したアクティビスト株主から買い手を探すようにプレッシャーを受けていたそうだが、アマゾンは予想されていたパートナーではなく、小売業界には衝撃が走った。
アマゾン株は23.54(2.44%)は急騰する一方、ウオールマート株は3.67ドル(4.65%)急落した。
アマゾンのホールフーズ買収は色々な意味で興味深い。
ホールフーズは自然食品のパイオニア的存在で、都市富裕層を中心に有機野菜等の販売で売上を伸ばしてきた。自然食品の伸びは食品全体の伸びを上回っている。しかし近年はウオールマートやクロ―ガーなど大手スーパーがこの分野に進出し、ホールフーズの既存店売上は減少傾向にあった。
その最大の理由は価格面で大手スーパーチェーンに較べて劣後していたことによる。
ところでホールセールには、ユニークなレジがあるようだ。それはInstacart(インスタカート)という配送専用レジである。インスタカートは2012年にサンフランシスコでスタートした「買い物代行業」的会社でホールセール専用ではない。しかしホールセールは同社の最も早い時期のパートナーで5年間の配送契約を結んでいるという(2年経過)。
従ってアマゾンがすぐに独自の配送ネットワークにホールフーズで購入した食品の配送を乗せる可能性は低いかもしれないが、数年後には確実に食品購入やその配送のスタイルが変わっている可能性が高い。
思うにアマゾンは本格的な食品小売業進出でライフスタイルの変化を提案したいのではないだろうか?
つまり消費者にアマゾンのプライム会員になることで、スーパーに行かずともオンラインで食品を注文し配送して貰える。消費者は浮いた時間を使ってアマゾンプライムでビデオや音楽を楽しむことができる・・・という具合にだ。
アマゾンの食品小売業進出は、既存スーパーの売上に影響を与えるにとどまらず、消費者のライフスタイルを変える可能性があると私は感じている。
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