昨日(12月1日)米国のバー司法長官は、連保捜査当局等が大統領選について大規模な不正があったかどうかを操作したが、現時点で選挙結果に影響を与えるような不正は見当たらかったとAP通信に伝えた。
wsjは以下のサブタイトル付でこの件を記事にしている。
Attorney general’s comments contradict President Trump, who pressed forward with legal challenges.
「司法長官のコメントは法的異議申し立てを推し進めるトランプ大統領を否定する」
contradictには「否定する。正しくないと言明する。矛盾する」などの意味があるのでどの訳をあてるかでニュアンスが変わるが、ここでは否定するとした。
このニュースのポイントはバー司法長官は共和党員でトランプ大統領により長官に任命された親トランプだという点だ。親トランプだけれど司法長官として捜査結果を分析したところ、トランプが主張するような不正は見つからなかったと言っているのである。バー長官については過去にトランプ側近が訴訟された時に捜査を止めるように検察に圧力をかけたと取沙汰されたことがある(ただしその件について詳しく調べた訳ではないので論評は控える)。
つまり一般的には親トランプで通っている人物でもさすがに証拠がない疑惑を事件にすることはできなかった訳で、トランプとしては手痛いダメージだ。
なおトランプが主張する大規模不正について、日本人でツイッター等でトランプの主張が正しいという趣旨の意見を展開している人がいたが、私は何をもってそのような主張をするのか疑問に思っていた。
アメリカは訴訟の国である。訴訟の国という意味は、自分の権利が侵害されていると思った人は十分な証拠を持っていなくても、証拠開示を求めて訴訟を起こす権利があるという意味だ。
そういう点でトランプは誠にアメリカ人らしいアメリカ人といえる。だがトランプが主張したからといって、その主張が正しいと思ってしまう人はトランプファンか短絡的な人であろう。
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