金融そして時々山

山好き金融マン(OB)のブログ
最近アマゾンKindleから「インフレ時代の人生設計術」という本を出版しました。

アジア株、フランス大統領選や米雇用統計を受けて大幅下落

2012年05月07日 | 社会・経済

ストラテジストという仕事は結構疲れる仕事ではないか?と思う時がある。特にGWのように日本の休日が続き、その間に世界では色々な出来事がある・・・という時に相場予測を書くというのは大変だろう。

今日届いた日経ヴェリタスの中でマネックス証券チーフ・ストラテジストの広木氏が「日経平均の下値のメドは昨年11月の安値8,160円から3月の高値10,255円の半値戻しの9,200円。日経平均は7月末に1.1万円まで上昇」と書いていたが、本日の日経平均は261.11円急落し9,119.14円で引けている。

株式市場では連休中に売り圧力が蓄積し、大幅な下落となったと思うが、これから2ヶ月で2千円上昇するのか?と疑問を持った人も多かったのではないだろうか?

FTのヘッドラインはAsian shares slide after French election。オランド候補が51.6%の得票率でサルコジ大統領を破り、フランスの大統領になることが決まったことが週明けのアジア株式市場に衝撃を与えた形だ。日経平均は2.78%下落したが、欧州の先物市場ではDAX30が2.7%下げて取引されているようだ。

オランド候補の勝利は1ヶ月前位から予想されていて市場はある程度織り込んでいたと思うが、事実となるとやはり衝撃は大きいのだろう。米国の雇用統計については市場予測よりは低かったし、更には労働参加率の問題にまで焦点が当たっているようだ。

GW中は天気予報が外れて思わぬ目に遭った人がいらっしゃるかもしれない。例年GWの頃は大気の入れ替わりの時期で、天気の予想が難しくなる。欧米諸国の政治情勢を見ると、「財政緊縮派」と「経済成長・雇用拡大派」という二つの気団が衝突し、乱気流を発生させている。日本にも二つ(あるいはそれ以上)の気団が低空圏で衝突を続けているが、安定した経済成長に必要なフォローの風を吹かせるには至っていない。

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穏やかに見えて実は危険な白馬岳~遭難記事から

2012年05月07日 | 

今年の連休は天気が不安定だった。山岳地域のみならず、平野部でも竜巻が猛威を振るうなどかなり荒れた天候だった。ゴールデンウィークというと、五月の青空に鯉のぼりが舞う晴天をイメージするが、実際のところは大気が不安定で晴天が長続きすることは少ない。

ゴールデンウィーク中には幾つか山岳遭難事故があったが、人数面では北九州市の医師らのパーティ6名全員がなくなった白馬岳の遭難が最大規模だ。

白馬岳は穂高岳や剣岳に較べると、険しい岩場を登るルートは少なく、北アルプスの中では穏やかで登り易い山というイメージがある。実際夏山シーズンを中心に多くの登山者を迎えている。だが山岳遭難、特に一つの事故による「大量遭難死」が発生するという点では、トップクラスに危険な山でもある。平成に入ってからの白馬での大量死亡山岳事故を見ると、18年4月に蓮華温泉に向かった山スキーヤー3名が死亡、23年5月に大雪渓の雪崩で3名死亡という記事が見つかる。

また大雪渓を中心とした落石、スリップ、転倒による事故も多い。

白馬岳で山岳事故が多い理由を推測してみた。

第一はアプローチが便利(JRの駅から近い・高速バスの運行が多い)で、登山者が多い。そのため夏の大雪渓上部では人口落石の危険性が高い。

第二は積雪期でもゴンドラやヘリでかなり上(標高2千メートルの天狗原)まで簡単に入山できる。(これは私が以前GWに白馬に入った時のブログ →http://blog.goo.ne.jp/sawanoshijin/d/20060506

このため軽装で入山する山スキーヤーは登山者が多い。

第三は白馬乗鞍岳周辺は広大で天候悪化時にルートを見失う可能性が高いということだろう。

最後には日本海に近いため、北アルプス南部(穂高等)に較べると積雪が多く、天候の変化が激しいことがあげられる。

6名の方のご冥福をお祈りするとともに、他山の石としたいことである。

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