金融そして時々山

山好き金融マン(OB)のブログ
最近アマゾンKindleから「インフレ時代の人生設計術」という本を出版しました。

米国株、小売株など堅調で3週連続の株安に歯止めをかける

2022年09月10日 | 投資
 昨日(9月9日)米国株は大幅に上昇した。ダウは1.2%、S&P500は1.5%、ナスダックは2.1%上昇した。1週間を通しての上昇幅はダウ2.7%、S&P5003.6%、ナスダック4.1%だった。
 昨日の株高を演出したのは、予想を上回る好決算を発表した小売業だった。高級家具のRH(旧レストレーション ハードウエア)の株価は4.5%上昇し、食品スーパー・クローが―の株価は7.4%上昇した。前者は典型的な裁量的支出銘柄で、後者は生活必需品の代表銘柄だが、インフレ圧力の高まる中検討していることが明らかになった。
 木曜日には欧州中銀が政策金利を0.75%引上げ、米国でもタカ派的発言が続き、債券金利は6週連続で上昇するなど、金利環境は株式市場に逆風となっているが、今週の株式市場はその逆風に耐えた。もっともWSJがreprieve(一時的救済)という言葉でこの状況を説明しているとおり、下げ相場の中の一時的な反発に過ぎないかもしれない。しかし底値買いが入っていることも事実のようだ。
 ドル円為替は、日本が円安に歯止めをかえるために動くのではないか?といった思惑などから一時円高に振れることもあったが基本的なドル高は変わらないと私は見ている。一番の理由は「今のアメリカが強い」ということだ。強い理由は色々あるが、一つはエネルギーを自国内で賄えることが可能という点だ。また金融政策が機能していることも強い理由の一つだ。また消費者がインフレを乗り切っていくタフさを示しているのも心強い。
 日本では鈴木財務相が急速な円安に必要な措置をとると発言したが、この円安について日本にほとんど打つ手はない。
 というのは円高をけん制するには、政府が持っている円を売りドルを買うと良い訳で、円は無限とはいわないまでもかなりの量がある。
 一方円安に歯止めをかけるためには、ドルを売って円を買うオペレーションをしなければならないが、日本政府が売ることができるドルの量はたかが知れているので、相場の圧力を止めるような介入は不可能だ。
 鈴木財務相のような金融の素人が訳も分からずに必要な措置をとるなどと発言しても相場の流れを止めることはできないのである。
 
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インフレと円安は登山愛好者を直撃する!

2022年09月09日 | うんちく・小ネタ
 テレビを見ると生鮮食料品や外食チェーン店の値上げのニュースがあふれています。総務省の消費者物価統計では、7月の物価は前年同月比2.7%の上昇です。アベノミクスの頃から政府や日銀はデフレ脱却を政策目標とし、物価上昇率2%を目指していましたから、2%台の物価上昇に大慌てをすることはないのかもしれません。
 しかし統計の数値と個人の感じ方は別物です。つまり自分がよく買うものの値段が上がったり、利用するサービスが上がる場合強く物価の上昇を感じ、そうでない場合はそれほど感じないということが起こります。
 さて今登山愛好家、特に山小屋に泊まる人は一部の山小屋の宿泊料金の値上げにため息をついていると思います。私が経験したところでは、北アルプスの人気の山小屋では宿泊料金はコロナ前の1.5倍程度になっています。感染防止のために山小屋は宿泊人数を2/3程度に減らしていますから、この程度の値上げを行わないと採算が維持できないので止むを得ない値上げといえるでしょう。
 さて山小屋の宿泊料金は物価統計の対象に入っていませんが、仮に入っていたとして50%の値上げがそのまま50%の値上げとして物価上昇率にカウントされるか?というとそうはなりません。何故なら物価やサービスの比較は、同じ機能やサービスレベルを前提としているからです。山小屋の場合、宿泊料金は1.5倍になりましたが、一人当たりの寝るスペースが増え、快適度が向上していますので、サービスレベルが向上した訳です。その分は統計上値上げと相殺して計算されますので、物価上昇率としては1.1~1.2倍程度かもしれません。
 登山愛好家としても、50%の値上げは財布にこたえるが、快適さが増したので容認できると思っている人は多いと思います。
 先々のことは断言できませんが、私はコロナが終息しても、おそらく山小屋が昔のすし詰め状態に戻ることはないと思います。
 このような変化は構造的で不可逆的な変化ということができるでしょう。
 つまり登山愛好者としては、人気の山小屋では宿泊料金は高止まりするということを前提に長期的な登山プランを立てていく必要があります。若い人であれば、テント泊中心に切り替えて山小屋泊を減らすという対応もあるでしょう。テントや寝袋を担ぐ体力のないシニア登山者は、他の贅沢を切り詰めるなどして山小屋代をねん出しないといけないかもしれませんね。
 さてもう一つ登山愛好者の私を直撃しているのが、海外渡航費用の値上りです。来月ネパールにトレッキングに出かける予定ですが、急速なドル高円安に悲鳴をあげそうな状態です。
 ただ今円安だからしばらく待って円高になってから行こう、という見方が当たるという保証はありません。しばらく待っていると円高に戻るというのは、循環的な見方です。確かに購買力平価などから見ると円は割安ですから、もう少し円高に戻るという見方はできます。しかし私は少なくとも私が海外トレッキングを続けられる間にびっくりするほどの円高はもうやってこないと確信しています。理由をあげると話が長くなるので詳しくは説明しませんが、「財政赤字の拡大」と「経常赤字の定着」が最大の理由です。原発停止による化石燃料の輸入拡大とその価格の高止まりが貿易収支を悪化させ、経常赤字が定着するリスクがあります。財政赤字と経常赤字の二つが重なると双子の赤字となり円の信頼度はますます低下する可能性があります。
 ということで今は登山愛好家受難の時代。
 そもそも登山とは何らかの危険~不確実性~を伴うもので、それにどう対処するかが登山技術なのです。山登りの不確実性がインフレや円安にまで影響される時代には、それなりのリスクヘッジ技術が必要な時代といえるでしょうね。
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強風予想が外れ快適登山、燕岳

2022年09月07日 | 
昨日登山天気予報は強風だたが実際はそれほどのことはなく快適登山でした。
花崗岩の山燕岳にはおもしろい形をした岩が沢山あります。
槍ヶ岳など北アルプスの峰峰は勿論八ケ岳まで視野に入る素晴らしい天気でした。









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中房温泉への道、中々混んでいました

2022年09月05日 | 
今日昔の山の仲間が中房温泉に集まります。東京からは私だけ。マイカーで少し前に到着しました。大町と松本を結ぶ国道147号線から中房温泉に向かう県道を走る車が意外に多いのに少し驚きました。この道は狭いところが多いので離合待ちが起こります。台風前の平日なのに登山者が多いようですね。宿の従業員に聞くと、今年は天気が悪い日が多いので晴れ間を見つけて登山者が集中するようです、ということでした。
中房温泉です
手間の池田町美術館での写真


今夜仲間と飲もうと思い、地酒を買いました。



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【スマートフォン時代のネパール個人旅行】③自分の旅行スタイルを考える

2022年09月05日 | 旅行
 前回は海外旅行時におけるインターネット常時接続方法について説明をしました。いずれの方法もホテルでの無料WiFiに較べるとコストがかかり、多少なりともリスクを伴うものです。そこでネパール個人旅行でインターネット常時接続は必要かどうか?という問題を考えてみたいと思います。結論からいうとこの問題に一つの正解はありません。何故なら答はその人の旅行スタイル次第であり、旅行スタイルはその人のライフスタイル次第だからです。
 ただし旅行スタイル時代は、個人旅行か集団旅行かという旅行の形態でまず大枠が決まります。個人旅行も現地の宿やバス・飛行機便の手配を総て自分で行い、ガイドも雇わないという究極の個人旅行の場合は、インターネット常時接続は必須ではないか?と考えます。一方完全なパッケージトレッキング、例えば日本の登山道具販売店が企画するような旅行では、日本からガイドさんが同行し、手取り足取りで案内してくれるので、インターネット常時接続は不要といえるでしょう。
 さて我々の今回のトレッキングは個人旅行ですが、現地の旅行会社にガイドの手配、滞在するホテルの予約、国内便の手配などを依頼していますので、現地旅行会社と必要な時連絡が着く程度の通話・通信手段が確保されていれば、旅行やトレッキングを行う上で問題はありません。
 このように考えると我々のトレッキングでは、インターネット常時接続は絶対必要、ということではないでしょう。
 しかし人によっては何らかの理由で、日本と頻繁に連絡を取る必要があることもあるでしょう。例えばご家族の病状がきになる人や自分の会社などと定期的に連絡を取る必要がある人なのです。
 もしグループの中に何人かそのような人がいる場合は、グループで1台ポケットWiFiを持っていき(出国時に空港で借りることができます)、共同利用するという方法が考えられます。
 もっとも日常生活を忘れるために旅に出るのですから、日本と頻繁に連絡するのはあまり好ましいことではないと私は思いますが。
 結論的にいうと海外旅行時にインターネットに常時接続する仕掛けを準備するかどうか?モバイルWiFiを使うか?ローカルSIMを使うか?といった問題は、その人の旅行スタイルや個人的なニーズで決まるということです。
 まず自分の旅行スタイルとライフスタイルを考えることから始めたら良いと思います。
 「インターネットにいかに常時アクセスするか?」というHowの問題を考える前に「何故旅に出てまでインターネットに常時アクセスする必要があるのか?」というWhyの問題を考えた方が良いでしょう。
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