金融そして時々山

山好き金融マン(OB)のブログ
最近アマゾンKindleから「インフレ時代の人生設計術」という本を出版しました。

日銀がマイナス金利を止めた途端にとんでもない円安に・・・その理由は?

2024年03月21日 | 投資
 日銀は3月19日に17年ぶりにマイナス金利の解除を決定した。これにより市中銀行が日銀に預けている当座預金勘定に0.1%の金利が付き、無担保コールの水準が0.1%に誘導されることになる。市中銀行の中にはこれに合わせて普通預金の金利を引き上げると発表したところがある。三菱UFJ銀行は金利を0.02%に引き上げると発表した。100万円預けて1年後に200円(税込み)の利息が貰えることになるが、バス代にも満たない家計の足しにならないことはいうまでもない。
 世界中で一番最後までマイナス金利に固執していた日銀がマイナス金利の廃止に動いたのは、インフレ率が日銀ターゲットの2%を超えてきたことと連合が発表した春闘の結果がインフレ率を上回ってきたことにある。15日に連合は発表したベアと定期昇給分を合わせた賃上げ率は5.25%だった。
 日銀のマイナス金利を取りやめたことは、海外の投資家にもインパクトのある話ではないか?と思っていたが、WSJの記事などを見るとまことにそっけない。
 曰く、マイナス金利は円安を招き、輸入物価の上昇を通じて多少インフレ率の向上に貢献したが、物価政策にそれほど有効な策ではなかった。結局物価を押し上げたのは、コロナウイルス感染拡大とロシアのウクライナ侵攻によるサプライチェーンの機能不全だった。
 日本が失われた20年問題に悩んでいた時、「マイナス金利を含む大規模な金融緩和策」を強力に推奨したのは、アメリカだった。だがそのアメリカの経済紙は、マイナス金利政策って結局大した効果はなかったんだ、とまことにそっけない。
 為替レート特に先物レートは通貨間の金利差によって決まると言われている。一方もう少し長いトレンドで通貨の価値を決めていくのはインフレ率だ。物価上昇率が高いと通貨の価値は下落する。
 今回日銀がマイナス金利の廃止を発表した途端に円は激しく売り込まれた。対ユーロでは2008年以降の円安になり、対ドルでも4カ月ぶりの円安になり一時151円台まで円安に振れた。
 先に述べた通り内外の金利差の縮小は円高につながるはずだ。米連銀は年内に3回の利下げげがあるという見方を打ち出し、FOMC後に6月に利下げがあるという予想は75%に拡大した(FOMC前は50%)。
 これだけを見るとドル売り円買いが起きても不思議ではないが、マーケットは逆の動きだ。
 その理由の一つは、マイナス金利の廃止を含む金融緩和策の転換(ETFや不動産投資信託の購入中止や長期金利の上昇を抑えるイールドカーブコントロールの中止など)が、日本のインフレを持続させ、場合によっては金融市場の混乱を招くリスクを直感的にマーケットが予知したのではないかと私は感じている。
 日銀や政府の発表を見ていると、物価は上昇しているが、賃金はそれを上回る上昇をしているからOKだいう論調だが、これは人口の3割近くを占めるシニア層の生活や非正規雇用者層の生活を無視した意見なのだ。
 多くのシニアにとって普通預金に金利が、少々上がるより、目の前の物価が上昇する痛みの方がはるかに大きいはずだ。
 また円安のため輸出産業は増収増益になり、賃上げ余力が高まるが、内需型産業までその恩恵が十分届いているかは不明だ。
 といって私は日銀のマイナス金利廃止に反対している訳ではない。マイナス金利は異常なものであり、過ちは改めるにこしたことはないのである。
 異常というと中央銀行による企業株式の購入も異常であり、これまた改めるにこしたことはないのである。だがこれは株価を下げる可能性が極めて高い。
 これらのことを考えると「円はまだ安くなる」という思惑が働いても不思議ではないだろう。
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北陸新幹線、敦賀へ延長で福井県は外国人観光客を取り込めるか?

2024年03月20日 | まち歩き
 今月16日に金沢・敦賀間で開業した北陸新幹線。首都圏と新たにつながった福井県は外国人観光客を呼び込めるだろうか?とふと思った。政府観光局の統計を見ると観光目的で来日した外国人観光客訪問率(2019年度これ以降データなし)を見ると福井県は47都道府県中高知県の次に低い。北陸3県では石川県18位、富山県22位と北陸新幹線が伸びている県は相対的に外国人訪問客が多いが、福井県は取り残されていた。
 私が外国人観光客が観光地を盛り上げると改めて感じたのは、先日志賀高原にスキーに行った帰りに地獄谷温泉野猿公苑に立ち寄ったとき、訪問客の8割は外国人だったことだ。
 日本では最近猿による農作物被害が増えているように、猿は珍しい動物ではない。しかしヨーロッパや北米には野生の猿はいないので彼らには野生の猿は大変珍しいようだ。
 どうして野猿公苑の猿が外国人観光客の間でこれほど有名になったのかはしらないが、おそらくインスタグラムのようなSNSで取り上げられてわれもわれもと猿を見に行くようになったのではないだろうか?
 実際猿のお陰かどうかは知らないが長野県の外国人観光客の訪問率は16位である。
 さて福井県の観光資源については最近CNBCにJapan launches bullet train service to a region that 'guidebooks rarely mention'という記事がでていた。
「ガイドブックにほとんど出ていない地域へ新幹線運行開始」ということだ。
 日本語のガイドブックはそこそこあるだろうから、英語など外国語のガイドブックがほとんどないということだろう。
記事が福井県の観光で勧めているのは、福井県が恐竜王国ということだ。
日本のディノサウルスの化石の8割近くは福井県で発見されている。
私はいったことがないが、記事はかつやまディノパークを日本のジュラシックパークだと持ち上げていた。
 福井県の観光資源は恐竜だけはない。記事は永平寺、芦原温泉、気比の松原、「人道の港敦賀ムゼウム」などを紹介していた。
 CNBCの記事だけで多くの外国人観光客が動くとは思わないが、福井県の恐竜がインスタグラムを賑わすようになると外国人観光客が増えそうだ。
 そうなるまえに一度行ってみたいと思っている。
 
 
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私が一番好きなスキー場は志賀高原、でもスキー場の人気順位はスキーヤーの好み次第

2024年03月18日 | 
 そろそろスキーシーズンは終わりに近づいてきましたね。もちろん雪を求めてGWの頃まで滑る人もいますが、このあたりで納板という人が多いと思います。
 今シーズンも人気の高い大きなスキー場を何カ所か滑りました。北から順番に「安比高原スキー場」「かぐらスキー場」「志賀高原スキー場」「白馬八方尾根スキー場」「グランスノー奥伊吹」です。グランスノー奥伊吹以外はほぼ毎シーズン行っているスキー場です。滋賀県のグランスノー奥伊吹には、関西に出かける用事に合わせて行って見ました。ここは関西では一番人気の高いスキー場だそうです。
 ところで全国のスキー場を案内しているサイトを見ると、全国のスキー場ランキングがでていることがありますね。ところがランキングはサイト毎にかなり異なっています。
 どのような方法でスキーヤーの意見を集めているのかしれませんが、ランキングが分かれることは良いことだと思います。もし多くの調査でランキングが一致すると上位のスキー場にスキーヤーが集中することになりますからね。
 そもそもどのスキー場が良いか?とか好きか?という判断基準は、その人のスキー技術や指向(タフなコースが好きかとかファミリー向きが好きかとか)、交通アクセス重視、宿泊施設・食事・温泉などの好みに関わります。
 私の場合、ここ数年は1月にかぐらスキー場と八方尾根に行き、2月は安比高原、3月は志賀高原というパターンになっていますので、滑る時期によるスキー場の印象も変わると思います。
 その中で敢えて一番好きなスキー場はどこか?と聞かれると、志賀高原だと答えると思います。
 志賀高原と一口にいっても、エリアは広く焼額山、一ノ瀬・高天ヶ原、熊の湯・横手山・渋峠エリアなどに分かれますが、全部まとめて志賀高原が好きですね。
 理由はコースが多くて、飽きがこないこと。難度が手頃でほぼ全コースを無理なく滑ることができること。標高が高いところが多く雪質が良いこと。良い温泉のある宿があること(温泉のないところもありますが)。スキー場の景色が良いことなどでしょう。
写真は横手山山頂からの浅間山です。
写真は熊の湯ゲレンデからの笠ヶ岳です。
色々な楽しみ方ができる志賀高原ですが、白馬八方などと較べると外国人スキーヤー・ボーダーは少なかったですね。彼らはオフピステの新雪を求めているので、非圧雪斜面が少ない志賀高原にあまり来ないのでしょうね。
 それにしても自分の好みに合わせてスキー場を選ぶことができる日本は素晴らしい国ですね。
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フェイスブックMessengerでファイルが送れなくなったが・・・

2024年03月16日 | デジタル・インターネット
 昨日からフェイスブックのMessengerアプリから登山仲間のチャットにファイルを送ろうとしていたのですが、ファイルがアップロードできませんでした。
ところがたまたまフェイスブックのメインページの右上にあるメッセンジャーアイコン(Nマーク)をクリックして、そこからメッセンジャーを立ち上げるとファイルをアップロードすることができました。便利なツールだけに不具合を起こすと困りますよね。



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ジェロントロジー(老年学)の箴言集㉚ 人生の行き着く先は家族や仲間のサポートで決まる

2024年03月15日 | ライフプランニングファイル
 今日(3月15日)読んだCNBCにこの6年間連続で世界一幸せな国にランクされるフィンランドでよく使われている4つのフレーズが紹介されていた。
 その一つが「誰もが自分の幸せの鍛冶屋である」というものだ。この諺の起源は古代ローマにさかのぼるらしいが、フィンランドでは長い間非常に有名な諺ということだ。
 一人一人はそれぞれの人生に責任を持たなければならない。しかし調査の結果「我々は何者であるか?」は、「我々は人生で何を成し遂げられるか?」は、そして我々の幸福は、しばしば我々を取り巻く人の総和であることが分かった。
 つまり人生の行き着く先は、往々にして我々がどれだけのサポートを得られるかによって決まるといえる。
 この記事を書いているフィンランドの女性心理学者はこの諺を「誰もが皆自分の幸せのセンターフォワードである」と言い換えることを好むと述べていた。
 フィンランドで一番人気のあるスポーツ・アイスホッケー。そこであなたがセンターフォワードだとしよう。あなたは得点をあげる努力をしなければならない。しかしもしウイングやディフェンダーがパスを回してくれないとあなたは取り残されてしまう。成功するためには自分の努力とともにコミュニティのサポートが必要なのである。
 私はこの知見を分かりやすく「人生の行き着く先は家族や仲間のサポートで決まる」と言い換えた。自分の人生が家族や仲間のサポートで決まるのだすれば、大切な家族や仲間のために幸せにつながるパスを回すのはあなたの大切な役割だということだ。
 記事に出ていたフィンランドでよく言われる諺の残りを紹介しておこう。
 Who has happiness should hide it.「幸せは隠すもの」
 The pessimist will never be disappointed.「悲観論者は決して失望することはない」
 Some have happiness, everyone has summer.「ある人には幸福があり、すべての人に夏がある」
 人生には晴の時もあれば雨が降る時もある。他人の幸福を羨むことはない。夏はいつかすべての人に訪れる。


 
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