金融そして時々山

山好き金融マン(OB)のブログ
最近アマゾンKindleから「インフレ時代の人生設計術」という本を出版しました。

米国株式市場は低金利依存症から乳離れ?

2024年03月14日 | 投資
 今週は月曜日から志賀高原にスキーに行っていたので、WSJには目を通していなかった。火曜日には米国のCPIが発表されたがこちらも見ていなかった。日計り商いをやっている訳ではないので、発表されるデータを見て、相場が上下しようともほとんど気にはならない。気になることがあるとすれば、それはデータを受け止める市場つまり投資家の考え方の変化だ。
 その点から今朝読んだWSJのIt's a Higher-for-Longer world for rates,and that's OKという記事には注目した。
 記事のポイントは「火曜日に発表された物価統計は市場予想より少し高いもので金利は多少上昇したが、株価は上昇した。これは株式市場が低金利依存症から乳離れしはじめている兆しかもしれない」ということだ。
 
 記事は1月と2月のCPIの動向を見るとインフレは鈍化しているが、今年の初めに多くの人が予想したより鈍化のペースは遅い。そしてインフレは連銀に金融緩和を思いとどまらせるほど粘着力があると述べる。
 ただし6月のFOMCで利下げが決定されるという見込みは統計発表前とほとんど変わっていない。
 見込みが変わったのは、今年の金利引き下げ幅である。統計発表前は年内に1%以上政策金利が引き下げられるという見込みは81%織り込まれていたが、統計発表後織り込みは50%以下に低下した。
 それでも株価が上昇したということは、市場が中立金利が以前より高いのではないか?と考え始めたことにある。中立金利とは失業率を高めず、インフレを目標レベルに抑える金利水準だ。
 つまりコロナ前より高い水準に政策金利が落ち着いても株価が上昇を続けるほど米国経済は堅調だろうと相場は考え始めているということだ。
 

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久しぶりの地獄谷野猿公苑、来場者の8割は外国人でした

2024年03月13日 | 旅行
 志賀高原のスキーの帰りに地獄谷野猿公苑によって温泉につかっている猿を見に行った。
降りしきる雪の中温泉で猿たちは身を寄せ合っている。ここは年中無休だが、猿を見るには雪のある冬が良いらしい。
 ところが冬は往復3km以上の雪道を歩く必要がある。除雪はされているが、踏み固められ堅くなった雪は滑りやすいので、グリップ力のある靴で行くことをお薦めしたい。
来場者の8割は外国人だ。多くの国では野生の猿を近距離で見ることはできない。私が知っている例外はネパールで、ヒンドゥ寺院や仏教寺院で猿を見かける。ネパールでは猿は神様のお使いなので大事にされている。この野猿公苑でも来場者は一定距離を保ちながら見ているだけだから猿は傍若無人に振る舞っているように見える。あるいはこれが野生と人間の共存の姿なのかもしれないが・・・


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好天悪天日替わり、春の志賀高原

2024年03月12日 | うんちく・小ネタ
昨日から志賀高原にスキーに来ています。昨日は快晴。

熊の湯ゲレンデから笠ヶ岳が間近に見え、その先に高妻山など北信の山々が見えました。ところが今日は朝から雪。
天気は目まぐるしく変わりながら春が近づいていますね。

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強弱入り混じった雇用統計の後、米国株下落

2024年03月09日 | 英語・経済
 昨日(2月8日)発表された米国の雇用統計は強弱入り混じった内容だった。2月の非農業部門雇用者増は事前予想198千人を上回る275千人だった。ただし1月の雇用者増は353千人から229千人に下方修正された。
 失業率は1月の3.7%から3.9%に増加した。
 2月の平均時間給の伸び率は事前予想の0.2%を下回る0.1%で、1月の0.5%に較べて大幅な鈍化となった。
 この状況についてHarris Financial GroupのCoxパートナーは"Labor is rolling, and wage inflation is rolling over"という言葉で説明していた(WSJによる)。
 Rollingは前進するという意味で使われ、Roll overは反転するという意味で使われている。つまり「雇用は拡大しているが、賃金インフレは反転した」という意味で、これは連銀の「雇用の極大化と物価の安定」という命題を満たしていることになる。
 WSJによると、雇用統計発表後、金利デリバティブでは6月に連銀が金利引き下げを行う確率が60%に高まった(1カ月前は約40%)。
 これらの情報を総合すると株価にはプラスだと思うのだが、昨日はナスダック銘柄が牽引して株価は下落した。ナスダック1.2%、S&P500は0.7%、ダウは0.2%下落した。
 なぜ株価が下落したかという点について「失業率や賃金上昇率鈍化から見て、連銀が金利引き下げを行う前に雇用市場は悪化するのではないか」という憶測が働いたのではないか?とあるエコノミストは述べていた。
 ただ多くの人の意見は「株価の上昇速度が速いのでこれ位の調整はあっても不思議ではない」というものだ。
 私もこの見方で良いと思う。
 個別銘柄を見ても、株価が急速に上昇している銘柄は、ちょっとした弱点から売られることがある。
 前日に決算発表したコストコは、利益面は予想を上回っていたが、売上高が若干事前予想を下回ったため、売り込まれ株価は7.6%下落した。同社株は
昨年60%も値上がりしていたので、売りが入ったのだろうと私は考えている。
 
 
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これほどまでに嫌われている候補者いない米国大統領選挙の不思議さ

2024年03月08日 | うんちく・小ネタ
 米国大統領選挙を見ていると、ごく単純に「もっと若くてまともな人はいないのか?」という疑問を持ちます。大きな声でいうかどうかは別として、多くの日本人は同じような疑問を感じているのではないでしょうか?
 いや日本人だけではありません。アメリカ人も同じような疑問を持っています。
 WSJはBiden vs.Trum: A Familiar machiup in an unprecedent electionという記事の中で「かってアメリカ人はこれ程高齢の候補者の中で選択を迫られたことはなかったし、既に大統領として実績を積んでしかもこれ程嫌われている候補者の中から選択を迫られたことはなかった」と述べています。
 記事を読んでいくと、バイデンとトランプの戦いは政策論争というよりも、大統領としての業務遂行能力を巡る争いになるのではないか?と述べています。
 バイデン氏については有権者の2/3近くが再び立候補するには高齢過ぎると述べています。トランプ氏については世論調査では、彼に対する有罪判決は政治的立場を危うくするので、国民に対し、刑事・民事訴訟がホワイトハウスまで追いかけてこないことを納得させる必要があります。
 今世界中では民主主義国家の数が減り、権威主義的な国家の勢いが増しています。
 民主主義の旗頭と思っているアメリカには、もう少し国民の信頼を得ることができそうな大統領候補がでてきて欲しいと思うのですが、現実は厳しいようです。
 その理由は何か?ということを軽く考えてみました。
 その一つはアメリカはかならずしも民主主義の旗頭ではないのではないか?ということです。エコノミスト・インテリジェンス・ユニットが発表している民主主義指数ランキングではアメリカは29番目で欠陥民主主義国家に分類されえいます。ちなみに日本は16番目で完全民主主義国家に分類されています。アメリカの点数が低い一つの原因は政治文化の点数が低いことです。
 もう一つはアメリカの大統領は他の民主主義国家(たとえば日本)の元首に較べて非常に強い権力を持っているということです。つまりギリシア・ローマ時代の独裁官(ディクタートル)のような色彩を持っているということです。
 トランプ氏は権威主義的に見えますが、アメリカ人の中には権威主義的な人を好む人がかなりいるような気がしますね。
 それにしても、度肝を抜くような起業家を輩出するアメリカでどうして、もう少し選挙民を魅了できる大統領候補は出てこないのでしょうか?
 仮にアメリカの大統領になっても実現できることは限られているのに、比べ起業家の方がはるかに多くの夢をかなえられるからなのでしょうか?
 ときどきこの問題を考えてみたいと思います。

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