今週は月曜日から志賀高原にスキーに行っていたので、WSJには目を通していなかった。火曜日には米国のCPIが発表されたがこちらも見ていなかった。日計り商いをやっている訳ではないので、発表されるデータを見て、相場が上下しようともほとんど気にはならない。気になることがあるとすれば、それはデータを受け止める市場つまり投資家の考え方の変化だ。
その点から今朝読んだWSJのIt's a Higher-for-Longer world for rates,and that's OKという記事には注目した。
記事のポイントは「火曜日に発表された物価統計は市場予想より少し高いもので金利は多少上昇したが、株価は上昇した。これは株式市場が低金利依存症から乳離れしはじめている兆しかもしれない」ということだ。
記事は1月と2月のCPIの動向を見るとインフレは鈍化しているが、今年の初めに多くの人が予想したより鈍化のペースは遅い。そしてインフレは連銀に金融緩和を思いとどまらせるほど粘着力があると述べる。
ただし6月のFOMCで利下げが決定されるという見込みは統計発表前とほとんど変わっていない。
見込みが変わったのは、今年の金利引き下げ幅である。統計発表前は年内に1%以上政策金利が引き下げられるという見込みは81%織り込まれていたが、統計発表後織り込みは50%以下に低下した。
それでも株価が上昇したということは、市場が中立金利が以前より高いのではないか?と考え始めたことにある。中立金利とは失業率を高めず、インフレを目標レベルに抑える金利水準だ。
つまりコロナ前より高い水準に政策金利が落ち着いても株価が上昇を続けるほど米国経済は堅調だろうと相場は考え始めているということだ。