惑星ダルの日常(goo版)

(森下一仁の近況です。タイトルをはじめ、ほとんどの写真は交差法で立体視できます)

イームズ展

2005-03-09 20:27:26 | アート・文化
 今日もぽかぽか。
 陽気に誘われ、バイクで都心まで。大丸東京店の「チャールズ&レイ・イームズ」展を覗いてきました。

 成型したベニヤ板やプラスチックを素材にした椅子で有名な夫妻ですね。安くて丈夫で使い勝手のいい椅子は今でも世界中で使われています。
 入り口を入ってすぐのところにベニヤ板を成型する道具が置かれていました。角材と石膏と丈夫な風船(!)と自転車用の空気入れ(!)で出来ている。これであの機能的な椅子の形が造られるのかと思うと、ボーゼン。デザインとは素材の発見とそれをどう使うかという頭の柔軟性なんでしょうか。

 夫妻のスケッチやコレクション、イームズ・ハウス(家の設計図や模型)、収納家具、それにいうまでもなく椅子などを眺めた後、出口近くでは「パワーズ・オブ・テン」の映画が上映されています。これも彼らの手になるものだったのか!
 10倍ずつ拡大していって、宇宙の全体像が俯瞰され、それから再びズームインしてゆくところが見事。月並みな表現をすれば「センスオブワンダー」そのもの。

 彼らのモダンデザインは大衆性と合理性と機能美とが特徴でしょうか。バックミンスター・フラーと似ているところもあるけれど、フラーの方がよりラディカルで目の前の現実を超越してゆく。イームズ夫妻の仕事はもっと肌に近く、肉体との調和に心をくだいているように思いました。