ウェブで熊本市中心部の地図をダウンロードして、梶尾真治さんの新作『精霊探偵』(新潮社)を読書中。
たとえば98~99ページには次のように書かれています――
たとえば98~99ページには次のように書かれています――
- その日、歩いて練兵町のマンションを出た。
熊本城の北西に位置する熊本博物館に行こうと思っていた。
……(中略)……
中央郵便局から、国立病院の裏手へ通じる道に抜けた。その一帯も、かつては、熊本城内であったため、石垣がやたらと多い。
法華坂を登り、熊本城公園二の丸広場に入った。……
ふむふむと地図で確認しながら、主人公の「背後霊が見える探偵」の足どりを確認します。これが楽しい!
いったいなぜだかわからないけど、私は地図が好きみたい。やたらに好きなようです。ヒマさえあれば地図を眺めて喜んでいます。
小学生の時は、そうでもなかったように思います。中学生の頃から国土地理院発行の五万分の一地図を買っていました。高校で始めた山登りでは必携でしたが、地図を読むのはそれよりも前から。地図で眺めては、ここは実際にはどんな地形だろうかと想像しておりました。
だから『精霊探偵』のように、詳しい地名が出てくる話も大好き。大概、地図で確認しながら読みます。
そういえば昔『初恋のウィーン』(文春文庫)というのを書かせてもらった時、ウィーンの地図を眺めながら若き日のインディ・ジョーンズを動きまわらせましたっけ。あれも非常に楽しかった。読むのも書くのも地図がらみのものには目がないのですねえ……。
いや、『精霊探偵』がおもしろいのはそれだけではないんですよ。『黄泉がえり』にも増して、生きる者と死んだ者との想いが交差し、存在の愛おしさがつのります。読了後、また改めて感想を書くつもり。