鴨志田穣『酔いがさめたら、うちに帰ろう。』(スターツ出版)はアルコール依存症から抜け出そうと苦闘する話。
主人公の「僕」は吾妻ひでおさんの『失踪日記』と同じ病院に入院して治療を受けたようですね。私の散歩コースの途中にある、野川沿いの大きな病院。近所にある水車小屋や蕎麦屋などの描写から間違いないと思いました。
これを読むと主人公の「僕」は著者の鴨志田さんその人に違いないのですが、しかし、この結末は……。
最後に「この物語はフィクションです。」と断りが入っているのを、どう受けとめればいいのでしょうか。結末のあの部分がそうであって欲しいと祈らざるを得ません。
でも、もしそうでなかったら……。
この衝撃はしばらく尾を引きそう。奥さんの描くマンガを見る目もかなり違って来ざるをえないでしょうね(悪い方に、という意味ではありません)。