惑星ダルの日常(goo版)

(森下一仁の近況です。タイトルをはじめ、ほとんどの写真は交差法で立体視できます)

SF大賞選考会

2006-12-03 20:27:08 | 本と雑誌

 昨日は第27回日本SF大賞選考会。3年目なので、これで今回のお役目は終了となります。

 候補は次の5作(50音順)――

  • 『アイの物語』山本弘(角川書店)
  • 『シャングリ・ラ』池上永一(角川書店)
  • 『天涯の砦』小川一水(早川書房)
  • 『時をかける少女』細田守監督(マッドハウス・角川ヘラルド)
  • 『バルバラ異界』 萩尾望都(小学館)

 バラエティに富んだ傑作揃い。どれが受賞しても不思議はないと思っていました。

 議論は午後3時半から6時近くまで、新井素子・笠井潔・小谷真理・辻真先・森下それに司会進行がSF作家クラブ会長・谷甲州という面子で各作品についてたっぷりと話し合いました。
 こんなにじっくりと特定のSF作品について話す機会はあまりないので、貴重な体験です。多少の紆余曲折はあったものの、結局は全員一致で萩尾さんの『バルバラ異界』に決定。
 なお、大賞の選考に先立って開かれた第8回日本SF新人賞選考会の結果は次のとおりでした。

  • 新人賞 『ジャン=ジャックの自意識の場合』樺山三英
  • 佳作 『戦域軍ケージュン部隊』木立嶺

 この種の選考に際していつも思うことですが、結果は水ものなんですね。選に漏れたからといって、決して作品が劣っているというわけではないのです。言い訳めいた言いかたになりますが、どうか次回を目指して頑張ってください。

 選考後、食事をとりながら谷さん、辻さんらと話したことは前立腺問題、認知症問題など。老人的話題が堂に入ってきました。

 で、その時に辻さんから『20世紀少年』の第22巻が出ていることを伺ったので、今日、さっそく本屋さんに行って購入。雑誌連載が春で終わったみたいだったから、これで完結かと思っていたら、そうじゃないんですね。最終章が間もなく集中連載というお知らせが巻末に出ていました。
 辻さんや新井素子さんに「終わっているはず」といってしまったのは虚偽情報だったことになります。いずれ直接お詫びすることにして、とりあえずここで謝っておきます。ごめんなさい。