惑星ダルの日常(goo版)

(森下一仁の近況です。タイトルをはじめ、ほとんどの写真は交差法で立体視できます)

嘆く隣人

2019-05-23 21:08:52 | 市民農園

 市民農園で隣り合っている畑の方は、今年、特にトマトに力を入れておられて、3本の畝のうち1本では、丸ごとトマトばかりを育てています。
 早くから苗を植え、青々とよく育っているのですが、先日、「トマトトーンをかけ過ぎてしまいました」と、落胆した様子を見せておられました。

 トマトトーンとは、トマトやナスに対してホルモンのような働きをする薬剤で、受粉しなくても着果したり、実がよく育ったりする効果をもっているそうです。
 私は使ったことがないのですが、周囲ではけっこう人気があります。
 しかし、咲いた花に1度だけ使うのが原則で、使いすぎると薬害が出るとか。実が空洞化したり、葉がちぢれたりするようです。

 せっかくうまくいっていたのに、思わぬところでつまずいてしまったのがお気の毒で、今日、畑で会った時、「トマトは復活しましたか?」と訊ねてみると、「しません! アハハ」と、虚ろに笑ってました。
 そしてすぐに、「本当はとても悲しいんです」と、落ち込んだ声で付け加えられたのです。

 「それはそうですよね」と、相槌を打ったものの、それ以上かける言葉が見つかりませんでした。
 後悔と、くやしさと、なんとかならないものかという祈りと……。気持ちはよくわかるのです。