午後、用があって街中をあちこち。
最初はほとんど降ってなかったのですが、そのうち本降りになり、足もとはグショグショ。スニーカーだったのです。
途中、駅前の真光書店に寄り、〈つげ義春大全〉の第6回配本を受け取りました。7巻「墓をほる影/妖刀村正」と11巻「女忍/鬼面石」の2冊。
これで全22巻のうち、12巻が揃いました。
このところ、貸本向けに書いた作品の収録が続いています。というか、つげさんのマンガの大半は貸本向けだったといっていいのかもしれません。22巻のうち、1巻から14巻あたりまでがそうだと思われます。その間に、雑誌向けのものも挟まれてはいますが。
戦後、テレビが普及するまでは、貧しい若者の娯楽の中心は貸本マンガだったのですね。
中卒で就職し、昼間は工場や商店で働き、夜、銭湯の帰りに貸本屋に寄って1冊借りてアパートの部屋に帰る。そんな生活パターンが思い浮かびます。男女ともにそんな境遇の人たちが多かったので、貸本マンガも男性向けと女性向けとにわかれていました。
つげ義春さんの貸本マンガはそうした読者の精神的飢えを満たしていたのでしょう。と同時に、作者にとっては自己表現の場でもあったはず。
そんなことを考えながら、入手した本のページを繰りました。