惑星ダルの日常(goo版)

(森下一仁の近況です。タイトルをはじめ、ほとんどの写真は交差法で立体視できます)

9・11

2021-09-11 20:39:21 | 日記

 午後、つつじヶ丘の本屋さん「書原」へ。〈現代思想〉10月臨時増刊号「総特集・小松左京 生誕九〇年/没後一〇年」など3冊を購入。
 私にとって小松さんの思想でいちばん興味があるのは「宇宙は文学するか?」というテーマですが、そのことに触れた論考はあるのかな。

 行き帰りの途中、キンモクセイの香りと遭遇しました。
 自転車を停めて見てみると、花が咲いています。

 早いですねえ。まだお彼岸には10日あまりあるのに。遅い時は10月に入ってから咲いたりしますけどねぇ。

 さて、今日は9・11。アメリカ同時多発テロがあって、20年という節目を迎えました。

 あの衝撃を自分の中で解きほぐすため、ずいぶん資料を読みました。おもな疑問は、テロリストたちはなぜアメリカを敵と見做したのか、という点。
 読んだり考えたりするうち、ことの始まりを1989年の「ベルリンの壁崩壊」に置くようになりました。

 あれがきっかけで米ソの冷戦が終結し、アメリカ的価値観が世界を支配するようになりました。
 ビンラディンを含め、テロに走った若者たちは、比較的裕福な家庭の出がほとんどで、彼らは欧米に留学、滞在した経験をもっています。そこで知った豊かな社会と自分たちの国のありさまの格差を痛感し、それをなんとかしなければという、エリートゆえの責任感をもったのだと思います。

 ベルリンの壁があった時代なら、アメリカに対抗するソ連という国家・社会のあり方がありました。アラブ諸国は、専制主義的な体質から、どちらかといえばソ連式社会主義に身近なものを感じていたはずです。そちらを参考に自国の未来を見出すこともできるのではないかと、考える余地もあった。
 しかし、ソ連が崩壊し、アメリカ一極支配の世界となると、自国とアメリカとを比較するしかなくなった。我々の社会が貧困や不自由にあえぐのは、富をアメリカに収奪されているせいだ。
 そう考えて、憎悪をアメリカに向けるようになったのではないでしょうか。

 アラブの春は、憎悪ではなく憧れをアメリカ社会に抱いた人々が起こした社会運動だったのかもしれません。

 9・11以降、アメリカや西欧の富と自由に憧れた人々がヨーロッパやアメリカに流入するようになり、欧米諸国は自国の利益を囲い込むため、ナショナリズムに傾いてゆきました。世界の分断傾向が強まっています。

 この問題を克服するため、世界中が知恵と力を合わせる必要があると感じています。
 と、今日はちょっとエラそうなことを書いてみました(^^;