午後、日本橋三越に出かけ「第69回日本伝統工芸展」鑑賞。
この時期のいちばんの楽しみです。日本全国の伝統工芸作家の新作が見られる(タダで!)。眼にも心にも心地よく、豊かな気分になれます。
毎年、会場にたくさん並ぶ工芸作品を眺めるたびに「日本もたいしたものだ」と思わずにはいられません。こうやって精緻な美しいものをつくり、しかもそれが暮らしに活かされている。すごいじゃないですか。
どの作品も美術品として見ると同時に、これを生活の一場面で使うとしたら、どこでどんなふうに、と考える。自分のところでそれが可能ではないにしても、どこかで使われるのだと思うと、それだけでうれしいのです。
ところで、ここに来るたびにわからなくなってしまうことが。
それは「茶注」と「急須」。どこがどうちがうのか。今回はさらに「茶銚(ちゃちょう)」などというものまで入ってきて、混乱に拍車をかけてくれました。似たような作品にそれぞれ「茶注」「急須」「茶銚」と名がついているのです。
どれもお茶を淹れる道具。金属製だったり、焼きものだったりします。
調べるとどうやら「茶注」と「茶銚」は同じように使われるらしい。つまり「茶を淹れる道具」。
急須は、江戸時代に日本で独自に発達した道具で、持つ手が横にあるのが特徴だといっていいらしい。
でも、あとひとつまだわからないことが。
「茶注」の読み方なんですが、「ちゃつぎ」と読むべきだと学び、そう呼ぶことにしていたのですが、今日、会場で見た作品には「ちゃちゅう」とルビが振ってありました。
「ちゃちゅう」でいいの?
それにしても日本語は融通無碍ですね。ほとんど何でもあり。
わたしは「ちゃちゅう」と呼ぶことにしました。