惑星ダルの日常(goo版)

(森下一仁の近況です。タイトルをはじめ、ほとんどの写真は交差法で立体視できます)

第3回ハヤカワSFコンテスト贈賞式

2015-11-21 21:12:19 | SF

 夜の外出が続いて、日記が更新できませんでした。すみません。

 一昨日のことから振り返ることにします。
 19日午後6時から神宮外苑の明治記念館にて「第5回アガサ・クリスティー使用/第3回ハヤカワSFコンテスト贈賞式」。早川書房の新人賞2賞の合同贈賞式です。私はSF方面から出席ですので、ここではSFコンテスト関係のみを報告します。

 第3回受賞者は次のとおり――

  • 大賞:『ユートロニカのこちら側』小川哲(さとし)
  • 佳作:『世界の涯ての夏』つかいまこと

 選考経過の報告は選考委員のお1人、神林長平さん。

 「前回、前々回の選考と違い、今回はサクサクと結論がでました。大賞受賞作は筆力、小説の完成度ともに他の候補作を圧倒。登場人物が善人すぎるという選考委員もいたが、私は問題ないと思った。あえて文句をつけるとすれば、シチュエーションが現実と地続きでSFらしさが薄いといえなくもない点。これに対し、佳作になった『世界の涯ての夏』は状況がすごく面白く、いかにもSFらしい。ロバート・F・ヤングっぽいボーイ・ミーツ・ガールであるところは東委員にウケていた。この2作に見られるような正反対の作風を受け入れるのがSFのふところの深さで、おもちゃ箱をひっくり返したような面白さを打ち出すことができる。どうぞSFをよろしく!」

 写真は大賞(右)と佳作(左)のポスター。

 佳作受賞のつかいまことさんは、「昭和生まれがここに来てしまい、恐縮しています。表現したい人は多いが、読む人は少ないというような昨今ですが、自分は書く側の人間でいつづけたいと思う」と、受賞の言葉。
 大賞受賞の小川哲さんは、「創作は孤独で地道なものと思う。これからも孤独で地道な作業をつづけてゆきたい」とのことでした。

 写真は大賞受賞の小川さんを中心に、左から、早川淳(あつし)早川書房副社長、塩澤快浩〈SFマガジン〉編集長/選考委員、神林長平 選考委員、小川哲さん、東浩紀 選考委員、小川一水 選考委員、早川浩 早川書房社長の皆さん。

 受賞作は今月25日発売予定。『ユートロニカのこちら側』は〈ハヤカワSFシリーズJコレクション〉、『世界の涯ての夏』は〈ハヤカワ文庫JA〉となります。乞う御期待。



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