惑星ダルの日常(goo版)

(森下一仁の近況です。タイトルをはじめ、ほとんどの写真は交差法で立体視できます)

狐の剃刀

2015-08-24 20:53:10 | 草花

 薄曇りで涼しい一日。夕方は久しぶりにカニ山から深大寺周辺を散策しました。

 秋の訪れを告げる花がいくつも咲いていました。オレンジ色のはキツネノカミソリ。黄色はオミナエシやキンミズヒキ。
 ここにはキツネノカミソリの写真を。

 ヒガンバナ科の多年草。名前の由来は細長く伸びる葉の形から。
 葉が枯れた後、花茎が伸びて花が咲きます。もう少ししたら、同じ仲間のヒガンバナも。
 ヒガンバナは、キツネノカミソリとは逆に、花が終わった後に葉が伸びてきます。この一族は少し変わった生き方を選んだのですね。

 夕食後の演芸タイムは7代目・春風亭小柳枝「子別れ」。

 飲んべぇの熊さんに愛想をつかしたおかみさんは、幼い子供を連れて家を出る。それで目が覚めた熊さん。真面目に働いていたが、ある日、息子を見かけ小遣いを渡す。これがきっかけで夫婦のよりが戻る――というのが全体の噺。
 今日の「子別れ」は、熊さんが酔っぱらって吉原へ繰り込むところだけなので、全体、どこが「子別れ」なのか、知らない者には見当がつきません。志ん生師匠も同じようなやり方をしてたそうな。

 この7代目・小柳枝師匠は糖尿と結核を患い、1962年に42歳の若さで亡くなっています。TBSの専属だったこともあるそうですが、私は聴いた覚えがありません。
 録音を聴くと、華やかでメリハリのはっきりした口調。唄もうまい。この噺では、酔っぱらった熊さんと、同行するクズ屋との演じ分けが惚れ惚れするほど見事です。
 『談志楽屋噺』によると、かなりハチャメチャな人だったらしく、驚くようなエピソードがたくさん残されています。


夏のミミズ

2015-08-23 20:49:34 | 園芸

 夕方になって涼しくなってきました。現在(午後8時)、外気温 22.8℃(隣町アメダス)。
 このぶんだと、今夜はミミズ御殿の冷房は不要なようです。

 昨夜は意外と暑く、夜、布団に入ってからミミズ御殿冷房用の保冷剤(御殿の蓋の上に置きます)を取り替えるのを忘れていることに気づき、起き出して、交換しました。昼と夜と、2個の保冷剤(をまとめてポリ袋にいれたもの)を使っています。

 この夏の経験では、室温が30度を超えると、冷房してやった方がいいみたい。暑さにまいって、蓋の裏側や壁との隙間でぐったりしています。適温の場合は、生ゴミとその消化物の混ざった「ベッド」の中で、せっせと餌を食べていて、外には出てきません。

 それにしても3月末にミミズを御殿に入居させて以来5カ月。台所から出る生ゴミは、柑橘類の皮と肉・魚系のゴミ以外はすべて投入してきたのですが、まだまだいっぱいにはなりそうもありません。
 御殿は、縦45センチ、横30センチ、高さ25センチぐらいなので、容量約30リットル。今は2/3ぐらいまで中身がたまったところかな。ミミズの消化力の素晴らしさを実感しています。


遠花火

2015-08-22 20:47:13 | 日記・エッセイ・コラム

 暑さがもどってきて、最高気温 32.9℃(隣町アメダス)。

 プール(屋外に限る)に行きたいけれど、我が街の市民プールは花火大会会場に隣接していて今日・明日とお休み。
 で、隣町の武蔵野市営プールまでバイクで出かけました。距離にして7キロあまり、片道15分程。

 ここは屋外と屋内、両方のプールがあって、7月から9月初めまでは屋外でも泳げるのです。屋外プールは井戸水を使用しているそうで、水温調節もしているようですが、それでも水が冷たい。体が冷えるので、暑い日には快適です。
 もうひとつ、ここで嬉しいのは、端っこに飛び込みスタート練習コースがあること。高さのあるスタート台を使うのではなく、水面すれすれからの飛び込みになりますが、頭から水に飛び込めるのは爽快。存分に楽しんできました。

 夜は花火大会を自宅2階から見物。まっすぐ南、約2キロの空低く、打ち上げ花火が広がるのが見えます。



 今夜は多摩川下流の二子玉川でも同時に花火大会だったらしく、そちらの花火も、東南方向の屋根の彼方に、ほんのわずかですが、見ることができました。

 夏を送る花火大会。賑やかで、終わった後には寂しさが漂ってきます。


千夜・一夜

2015-08-21 20:48:09 | 演芸

 日中、2度ほど通り雨がありました。そのせいもあってか、気温はさほど上がらず。30度には達しませんでした。

 夕方、市民プールに行くと「気温29℃、水温29℃」という表示。お客さんもかなり少なめです。
 とはいっても、水に入ると寒いとは感じません。普段どおりに泳いで、計700メートル。
 明日はこの周辺で花火大会があるため、土・日と市民プールはお休み。もう少し長く泳いでもよかったかな。

 夕食後の演芸タイム。今日は漫才で青空千夜一夜「子供の教育」。

 漫才には詳しくないのですが、東京の漫才はこの2人の師匠であるコロンピアトップ・ライトがいて、リーガル天才・秀才、女性同士の内海桂子・好江、夫婦でやってた春日三球・照代……。関西に比べると見劣りしていたのをいきなりひっくり返したのがツービートだったでしょうか。

 千夜・一夜さんはノッポの一夜さんが、チビでメガネの千夜さんをコケにしながら噺を転がしてゆく。社会風刺というか、ダメな世間に突っ込みをいれるところに面白味があるように思います。今の演芸で社会風刺をやっている人って、誰だろう?
 今日、聴いたネタでは、ご飯の炊き方で「初めチョロチョロ、中パッパ。婆ぁ死んでも蓋とるな」などというところに、ビートたけしの先駆けめいたものを感じました。
 漫才は時代とともに移り変わるもので、落語のように古典的な演目はないんですねぇ。


よかちょろ

2015-08-18 21:06:00 | 演芸

 太平洋高気圧と日本海の移動性高気圧が押し合いをしているみたい。関東地方は両者の中間にあって、今日は移動性高気圧の圏内に近づきました。
 最高気温 31.7℃(隣町アメダス)は、猛暑時に比べると涼しいくらい。
 夕方、行った市民プールで、いつもよりひんやりした水の中から空を見上げ、「これまでと違って、秋めいてきましたねぇ」というご老人の言葉に相槌を打ったものです。

 夕食後の演芸タイムは先代・文楽師匠(黒門町)の「よかちょろ」。

 道楽息子の孝太郎が、遊郭通いを父親に叱られる。しかし、孝太郎はまるで悪びれるふうもなく、回収した売掛金200円(明治時代の噺なんですね)をいかに散財したか、得意げに説明する。「髭剃に5円、よかちょろに45円……」。

 「ぬけぬけと」という言葉がありますが、22歳の若旦那の態度がまさにそれ。
 殊に「髭剃」の説明がいいんです。遊郭の二階の一室で花魁をはべらせて、髭を当たってもらう。その場の様子を得意気に話す中で、「ここに猫がいたり、いなかったり」。
 いい気なもの、なんて言葉では言い尽くせない、どうしようもなさ。バカバカしいのに、どこか風情があって、親にしてみれば余計に腹立たしいだろうなあ、と。
 「この後、若旦那、勘当とあいなります」のサゲの言葉にも深く納得せざるを得ないわけです。

 こういう上流っぽい人たちのバカバカしさを描くと、文楽師匠は絶品ですねぇ。ご本人の気品がなせるわざでしょうか。素晴らしい。