金融そして時々山

山好き金融マン(OB)のブログ
最近アマゾンKindleから「インフレ時代の人生設計術」という本を出版しました。

店の名前は日本語で併記せよ

2008年09月29日 | うんちく・小ネタ

昨日ワイフ・下の娘と日本橋コレドの中のあるフレンチ系レストランでランチを食べた。メニューは「鯛のポアレ」をメインにした1,800円のコース、サーモン・マリネの前菜にデザート付きで中々美味しかった。私は休日のランチにコレドのレストランを選ぶことが多いがその理由は空いているからだ。コレドは日本橋という立地やテナントの数などから集客力が劣っているので空いている。リーズナブルな値段でゆっくり食事をするにはちょっとした穴場である。

だがこのブログの目的は穴場を紹介することではない。テナント各位に「テナント名は何語でつけても良いが、読み方を日本語で併記して欲しい」ということだ。

昨日食事をしたレストランの名前は4eme。正しくはeの上に`のような符号が乗っているのだが字を探すのが面倒なので省略。これすっと読めますか?読めるのはフランス語を知っている人。4emeはフランス語で「4番目」を意味するquatriemeのこと。ところがフランス語を知らない私には読めない。そして読めない言葉は覚えられない。インターネットで調べてようやく「キャトリエム」と発音(日本語風だろうが)することが分かったが直ぐ忘れてしまう。年を取ると知らない言葉は簡単に覚えられないのである。

だが私が外国語のテナントやレストラン名には日本語の読み方を併記せよと主張するのは私が覚えられないからだけではない。災害・犯罪対策上の話からである。もし4emeの店で犯罪や火災があった場合通りがかりで、店の名前を読めない人はどの様にして警察や消防署に連絡すれば良いのだろうか?このような例は六本木や銀座のビルでは多いと思う。

私自身が外国語と言えば多少の英語と極めてほんの少しのウルドゥ語しか話すことのできない語学力の低い人間であるだけに、六本木などを歩いている人が皆、自由にフランス語やイタリア語を読めるのだろうか?と疑問に感じている。

私が暮らしていた頃の米国には「外国語の名前の店は必ず英語を併記するべし」という法律(条例?)があった。これは既に述べた防犯・防災の観点からの要請である。

もっとも4emeが読めないので多少勉強することはできた。4のフランス語はquatreキャトルでイタリア語やスペイン語のquattroクワトロと語源は同じだ。クワトロなら4と知っていた。というようなことで少し雑学が広がった。ついでに食べた鯛のポワレのポワレも調べてみた。ポワレはフランス語でpoele、フライパンなどの鍋を指し、その鍋で両面を油で焼いた料理がポアレなのだ。

雑学は身についたものの、防犯・防災の観点から外国名のテナントは日本語で読み方を書け!という主張に変りはない。

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懸念はヘッジファンドの資金流出に移る

2008年09月29日 | 金融

9月28日日曜日米国で議会のリーダー達は、月曜日のアジア市場がオープンする前に「住宅ローン買取機構法案」骨子の合意に漕ぎつけた。当面の大きなハードルは一つ越えた。しかしこれは問題解決のスタート点に過ぎず、目詰まりを起こしている金融市場が正常化し、米国の住宅市場が安定するまでにはかなり長い時間がかかりそうだ。

その中で次の懸念材料はヘッジファンドだ。ニューヨーク・タイムズはThe money rushed into hedge funds,now some fear, it could rush out.という書き出しで「ヘッジファンドに急速に流れ込んだ資金は、急速に流出する可能性を恐れている人がいる」と警告を発している。

2002年以降ヘッジファンドへの投資額は約3倍になり、全世界ベースでヘッジファンドの残高は2兆ドル近くに膨れ上がっている。ヘッジファンドの運用成績はヘッジ・ファンド・リサーチ社によると今年は最悪の年で現時点で平均10%程度のマイナスである。今年前半で閉鎖したヘッジファンドは約350だ。

業界関係者が注目しているのは今週火曜日の「償還申し込み」だ。年末にファンドから資金を償還するには、この日までに申し入れをしないとならないというのが多くのヘッジファンドのルールだ。

ヘッジファンドはかっては米国の超富裕層が投資するファンドだったが、今では全世界の年金基金などの機関投資家が投資をしている。日本の年金基金の中にも「難しい理屈は分からないが、とにかく絶対利回りが欲しい」ということで投資しているところは多い。問題はこれらの投資家がヘッジファンドに不安を感じて、大量の償還申し込みが殺到することだ。

ニューヨーク・タイムズはシティ・グループのアナリストは業界は償還に備えて6千億ドルつまり3割程度をキャッシュポジションに取っていると分析している。しかしこれを大きく上回る償還申し込みがくると、ヘッジファンドは保有資産の売却を迫られることになる。そうすると売りが売りを呼び、負のスパイラルが続くことになる。

気になるのはC.F.Oというヘッジファンドで担保された証券の格付の動きだ。C.F.OというのはCollateralized fund obligationの略称で、C.D.O「債務担保証券」Collateralized debt obligationのヘッジファンド版と考えてよい。

先週格付機関は幾つかのC.F.Oの格付を引き下げた。ヘッジファンド業界大手の英国のマン社が運営する二つのC.F.Oも格下された。マン社については日本の信託銀行などもディストリビューションを担当しているから、日本でも名前は知られている。格下された中には今年4%以上の損失を出していると言われているGlenwood Capitalも含まれている。

ヘッジファンドの損失が拡大すると日本企業にも大きな影響を及ぼす。もしその企業や企業が属する業界の年金基金がヘッジファンド投資で損失を出し積立不足になると、その穴埋めのため企業は特別に拠出することを求められるからだ。また金融機関の中にも自己勘定でヘッジファンド投資を行っているところがあると見ておくべきだろう。

次に注目するべきはヘッジファンドだというニューヨーク・タイムズの記事は注目に値する。

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