金融そして時々山

山好き金融マン(OB)のブログ
最近アマゾンKindleから「インフレ時代の人生設計術」という本を出版しました。

クリティカル・シンキングとグライダー人間

2016年09月03日 | 資格・転職・就職

先日「クリティカル・シンキングと通じて飛行機人間になろう」というエントリーを書いたところ、グライダー飛行の経験豊富な方から「飛行機人間とグライダー人間の比喩は真逆だと思う。グライダー操縦では上昇気流をつかむため、頭をフル回転させているが飛行機では燃料がある限り目的地に向かうことができる。実際にはグライダーの方が奥が深い」というご指摘を頂いた。

飛行機人間・グライダー人間の比喩はそのブログでも書いたとおり、外山滋比古さんの「思考の整理学」に出てくる有名な話なので、無批判に引用した次第。しかしこのような無批判の引用こそクリティカル・シンキングなアプローチに反していると反省しています。

私はグライダーを操縦したことはないが、パラグライダーで空を飛んだ経験は若干ながらある。そのわずかな経験を持ってしても上昇気流をとらえる(あるいは不用意に上昇気流に乗らない)ためには五感を働かせる必要があることは想像がつくので、グライダーの操縦が奥が深いというご意見を傾聴したいと思う。

ところでクリティカル・シンキングについては、色々な解説があり、短い講話の中で何を強調するべきか今もって考えているところである。

(そもそも私自身がクリティカル・シンカーであるかどうかも分からないし)

ただ内定者の方向けの話では「世間一般に流布している通説を簡単に真に受けず、自分の頭でなぜWhyを考える癖をつけよう」「そのために情報(情報の信ぴょう性についても考えながら)を基づいて自分で判断する癖をつけよう」「一般論ではなく、自分や会社が持っている資源(プラス面だけではなくマイナス面を含めて)や環境を前提に現実的な問題解決策を考える癖をつけよう」というあたりがポイントになりそうだ。

グライダーの件については、貴重なご指摘(情報)を頂いたことを感謝しています。

 

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変わらないことは良いことだ。8月米国雇用統計

2016年09月03日 | 投資

昨日(9月2日)発表された米国の雇用統計は非農業部門雇用者NFPが151千人で、失業率は前月と変わらず4.9%だった。

NFPは市場予想の180千人よりは少なかったが、失業率を現状に留め置くには十分の数字だった。

クリーブランド地区連銀のメスター総裁は前日失業率を現状維持するには、毎月57千人から150千人の雇用が必要と述べていたが、そのレンジの上限に入った訳だ。

市場では9月に連銀が政策金利を引き上げるのではないか?という見方が後退し、株価は0.4%程度上昇した。ダウは72.66ポイント(0.39%)上昇し、18,491.96ポイントをつけ、ナスダックは22.69ポイント(0.43%)上昇した。

雇用統計が発表される前の先物市場市場による9月金利引き上げ可能性は27%だった。統計が発表された後12%に低下したが、次第に戻り始め引けでは24%になった。

8月の民間部門の時間当たり賃金の上昇は0.1%で、昨年同月比2.4%(7月は2.7%)の上昇にとどまった。

賃金の上昇がインフレ圧力につながるには、年率3-3.5%の上昇が必要と言われているから、堅調な雇用がインフレにつながるにはまだ少し時間がかかりそうだ。

以上のようなことから、8月の雇用統計は米国経済が引き続き堅調であることを示す一方で9月の利上げを促進するほどものではないというのが昨日の市場の見方だったろう。

まあ変わらないことは良いこととしたいと思う。

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