昨日(9月19日)夜のNHKスペシャルで取り上げていたのが「健康格差と所得や地域の格差の問題」でした。
健康と所得の間に相関関係があることは、所得の高い人ほど健康診断や予防医療に取り組む機会が大きいことなどから、推測できますが、私が注目したのは、健康と社会的なかかわりの関係でした。最近の内外の研究では社会的かかわりが多い人ほど健康面で優れているということが明らかになりつつあるそうです。一般に所得が高い人ほど外部とのつながりが多いと仮定すれば、この面からも所得が高い人ほど健康面で恵まれる機会が大きいということになります。
しかし社会全体の健康レベルを高めるためには、所得水準にかかわることなく、多くの人が社会的活動に参加できるような社会を目指すことが必要でしょう。
そのためには行政や各種の団体のイニシアティブが必要でしょうが、個人レベルの気持ちの持ち方も大切だと私は考えています。
他人とかかわりを持つと「いつどこで会う・どこそこの集まりに顔をだす」など予定が生まれてきます。つまり用事ができ、行くところができる。
これをシニアには「教養(今日用)」「教育(今日行く)」が必要だと言っている人がいました。
人とのつながりは「多生の縁」から生まれます。小さなつながりを大切にしていくという意味では「多少」と書きたいところですが、これでは「多生の縁」の誤用と思われてしまいます。
多生の縁というと「袖振り合うの多生の縁」というように、袖を触れあうようなちょっとした出会いも前世からの因縁によるという仏教の教えだそうです。
仏教の教えというと「一期一会」という言葉もあります。人との出会いをおろそかにしないという意味です。
いずれにせよ、人とのつながりを大事にして、多くの人が社会的かかわりを持って生きていく社会を目指したいものだと思います。