昨日(2月22日)東京市場では日経平均が約34年ぶりに高値を更新しましたね。日経新聞など多くの新聞は米国の半導体メーカーエヌビディアの好決算を手がかりに買いの勢いが強まり、日経平均を押し上げたと書いています。
一方「金融業界や投資家を除くと高揚感はない」「金融資産として株式や投資信託を保有する日本人の割合は少なく、株高の恩恵は少ない」というコメントも見かけます。
私は日経平均の高値更新が多くの人の高揚感を伴わないのは、今回の株高の大きな推進力がアメリカ発の生成型人工知能(AI)であり、中でも人工知能に多く使われる半導体を生産しているエヌビディアなどの半導体メーカーの株高が一部の投資家の熱狂を呼んでいるからだと考えています。
日本の会社がAIの活用にどれ位真剣に取り組んでいるのかは知りませんが、調査データを見る限りでは、かなりの企業が真剣にAIの活用を検討し既に実践しているアメリカに較べ、日本の会社は様子見のところが多いように思います。
つまりビジネス界特に上層部にAIを使いこなして業務をドラマチックに変革するといった機運が未だ乏しいのが日本の現状ではないか?と私は考えています。だから今一つAIブームが腹落ちしていないのだと思います。
もっとも現在の株高は世界的な現象です。
今株高を更新しているのは、日本市場だけではありません。ドイツ、フランス、トルコ、台湾など多くの市場が今月高値を更新しています。
これは人工知能一本足打法に懐疑的だった投資家がアメリカ経済の好調さとAI牽引相場の持続性に強気になり、株式市場に回帰しているからです。
WSJを見るとAI-driven bubbleという文字が目につきます。
昔のことはあまり記憶していませんが、34年前に日経平均高値の頃は「日本の不動産バブル牽引市場」という文字が躍っていたのでしょうね。
ある意味バブルであれなんであれ、相場を牽引するから高揚感があるのです。
今回の日本株に高揚感がないとすれば、それはみずから相場を牽引していあいからです。
一個人投資家からすれば、牽引力のある相場に入ってみたいですね。飛行機のように自分で飛ぶ相場に乗ってみたい。グライダーのように他国の相場の風任せのような相場は面白くない。
もちろん「割安だから日本株を買う」という裁定的な判断はありますが、それはあくまでサイドディッシュ的な話です。本筋が人工知能相場であれば、その本場に乗ってみる~落ちる可能性もある訳ですが~のが本筋ではないか?と思いながら日経高値更新の記事を読みました。