今月17日(月曜日)神田駅前のホールで実施する予定の相続学会のセミナー「歳をとるということ」~老化現象とは~」「相続に学ぶ人間学」について若干の空き枠があります。学会員以外のビジターの方も歓迎ですから、ご興味のある方はホームページhttp://www.souzoku-gakkai.jp/をのぞいてください。そしてさらにご興味があればセミナーにお寄りください。
昨今のこの手のセミナーを見ていると、「節税」や「争族争いの回避」をテーマとしたセミナーの人気が高いようです。相続問題をHow to的に攻めている、と私には思われます。だが今本当に必要なことはHow toではなくWhyのアプローチではないでしょうか?
HowとWhyの問題を企業の経営改善のアナロジーで考えると次のようなことが見えてきます。悪い経営改善というのは、Howに終始します。つまり如何にして経費を削減するか?どうすればもっと売れるか?という手段にフォーカスして本質的な問題を考えないのです。だがHowという観点に立つと「なぜ売れない商品を作っているのか?」「なぜそのプロセスが必要なのか?」というより根源的な問題が見えてくるようになります。
HowとWhyを相続問題に適用すると、どのような遺産の残し方をすれば、相続税が少なくて済むか?というようなアプローチを取るのがHowのアプローチです。だがWhyのアプローチを取ると「何故自分は誰それにどれだけの遺産を残そうと考えるのか?」あるいは「何故自分は誰それには法定相続分より多い(あるいは少ない)遺産を残そうとしているのか?」ということがフォーカスされます。無論その後には専門家の知恵を借りながらHowを考える必要がありますが、まずWhyを考えることで、自分の思いを整理し、遺言を受ける相続人の気持ちが見えてくると私は思います。だからWhyをまず考えるべきだ、というのが私の考えなのです。
そのWhyを考えるということは、自分の生き方を含めて「生きるということ」「死ぬということ」を直視することにつながると思います。今回の講演テーマはまさにWhyにつながると私は思い、楽しみにしています。
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