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失業率は下がっても変わらない雇用人口比率

2013年06月10日 | 社会・経済

先週金曜日に発表された米国の失業率と非農業部門雇用者増。座りどころの良い数字(別の見方をすると、市場参加者がそれぞれの思惑で勝手な解釈をしたのかな?)で、米国株は堅調だった。シカゴ先物市場では日経平均が500ポイントほど上昇しているから、今朝の東京市場は大幅上昇が期待される。このように世界の金融市場に大きな影響を与える米国の雇用統計だが、ピューリサーチのメモによると、経済学者は「失業率」より「雇用人口比率」の方を重視しているそうだ。

雇用人口比率とは、就業者数の就業可能年齢者の総数(OECD統計では15~64歳)に占める割合だ。失業率計算で使う「失業者」の定義は、就学・就職していないけれど、仕事を探していない、という人を含まないため、時系列的に見るとブレが大きいが、雇用人口比率はブレが少ない。

ピューによると、リセッション後(2009年9月)の失業率から金曜日に発表された今年5月の失業率は、9.8%から7.6%に下落しているが、雇用人口比率は58.6%でほとんど変化がないということだ。失業率が低下しても、雇用人口比率がほとんど変わらない一つの理由は「仕事を求めていない」人の比率が上昇していることだ。またベビーブーマーの退職者が増えていることも一つの要因だ、と考えられる。就学年齢・退職間際の年齢を排除した25~54歳というコアの就業年齢層で雇用人口比率を計算すると5月の数字は76%だった。改善傾向にはあるものの、リセッション前(2007年1月)の80.3%という数字に較べるとまだ低い。

英語版Wikipediaに出ていたOECD諸国比較によると、2011年の米国の雇用人口比率は、66.6%だった。同年の日本の雇用人口比率は70.3%、OECD諸国の中では高い方だが、上には上があり、トップはスイスの79.3%でノルウェー75.3%、スウェーデン74.1%が続いている。雇用ニーズがあれば、労働力を捻出する余地は充分あるということだろう。

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