三井住友銀行の元頭取で「最後のバンカー」と言われていた西川善文さんが死亡したというニュースと米国の大手金融機関シティグループの時期社長(CEO)にジェーン・フレイザーさんが就任するというニュースをほぼ同じ時期に目にした。フレイザーさんは米国の大手金融機関で初めての女性社長だ。
二つの出来事にはもちろん何の関係もない。だが金融業務が剛腕をふるう(と思われる)男性の仕事から、ソフトスキルで優位性がある女性が活躍する仕事に変化していく現象を象徴しているのではないか?と私は感じた。
金融業が変化の最中にあることの象徴的な出来事としては今年4月に三菱UFJフィナンシャルGの社長にメガバンクで初めて理系の社長が誕生したことも挙げられる。
WSJによると女性の管理職登用という点で銀行業界は他の業界より進んでいる。C-level(最高〇〇責任者という意味。部門長レベル)と呼ばれる管理者の女性登用率は銀行が27%で産業全体の21%を上回る。
銀行の一番下位の管理職(マネージャー)の男女比率は58:42でその上のクラス(シニア・マネージャー)になると比率は62:38だ。
女性の管理職登用が進んでいる米国でも登用率には格差が見える。
もっとも日本の場合は全業種の女性管理職の割合が7.7%で金融業では9.5%である。
バンカーというと聞こえが良いが、本当のところは密室でタフな交渉を続けていたということである。それはそれで一つのヒューマンスキルなのだが、これから必要なヒューマンスキルは、顧客や部下の話を「傾聴」するようなヒューマンスキルの方が金融機関にも求められるのである。
もっとも私はフレイザーさんのことをほとんど知らないので、女性をステレオタイプで判断しているかもしれないが・・・
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