金融そして時々山

山好き金融マン(OB)のブログ
最近アマゾンKindleから「インフレ時代の人生設計術」という本を出版しました。

日本株投資をアメリカ人の目から見ると・・・

2013年01月09日 | 投資

安倍政権のデフレ退治政策を好感して急騰した日本株だが年があけてお休みムードである。通常7割を超えると「買われ過ぎ」と判断されるRSI(相対力指数)が8割を超えているようだから警戒感がでるのも当然である。もっともこれが一休みなのかそれとも、年末の相場が景気浮揚策を既に織り込んだものなのかは考えどころである。日本株の需給を左右する外人投資家が外貨ベースでの日本株投資をどう判断しているか?などというのもチェックポイントだろう。

S&P Capital IQのAlec Young グローバル・エクイティ・ストラテジストは次のように述べている。

  • 昨年日本株は円ベースでみると、21.7%上昇した。しかし円がドルに対して14.4%下落したので、米ドルでの投資家にとって日本株の上昇は7%に過ぎず米国株やその他の株式市場の二桁の上昇より大きく見劣りした。
  • 日本株とドル円為替の日々の相関係数は87%である(ものすごく高い)。これは時価総額の約半分を占めるのが輸出関連企業だということに起因する。
  • 円安になると株価は上昇するが、ドルベースで見ると為替損が発生し、円高になると為替益が出るが日本株は下落する。
  • 日本株は割高である。予想収益ベースのPERは15倍(参考までに昨年11月時点の実績PERは日本が19.7倍、先進国平均は14.4倍だった)で、米欧や新興国市場に較べて顕著に割高である。また日本株の配当利回りは2.1%でこれはS&P500を下回る数少ない外国市場である。

総合的にみてドルベースの投資家にとって、日本株投資は今年も難しい年になりそうだ、とヤング氏は述べている。政策の変わり目などでサヤ取りを狙うすばしっこい投機家にはチャンスはあるかもしれないが、本腰を入れた投資家には余り魅力のない市場ということなのだろう。

コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« バンガード投信、低コストで... | トップ | ブラジル、今年はIPOが増える... »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

投資」カテゴリの最新記事