コロナ以降海外特に米国に荷物を送るのに手間がかかるようになりました。
送り状に品物の明細やHSコード(世界的に統一された6桁の品目コード)を書く必要があるからです。
その中に生産国をリストから選んで記載する項目があります。
よく送り孫の衣料品などについては、以前は中国製が圧倒的に多く、タグの生産国を見るまでもなくmade in Chinaで良かったのですが、最近はそうもいかなくなりました。ベトナム製、バングラディシュ製など他のアジア諸国の製品が増えているからです。
CNBCに「ゼロコロナ政策の影響で中国が世界の工場としてのシェアを失いつつある」という趣旨の記事が出ていました。
記事はCNBCが貿易データ会社MDS Transmodalと共同で集めたデータを紹介していました。それによると中国の2016年当時の世界の輸出品に占めるシェアは衣料品で41%、家具で64%、靴で72%、旅行用品+ハンドバッグで83%となっていました。
これが2022年には衣料品37%、家具53%、靴65%、旅行用品+ハンドバッグ70%に低下しています。
一方代表的な競争相手のベトナムのシェアは家具が2016年の8%から2022年の17%へ、靴が12%から16%へ、旅行用品+ハンドバッグが6%から10%へ伸びています。
中国の輸出シェア鈍化はゼロコロナ政策の影響だけでなく、米国の対中国高関税政策の影響も受けているでしょう。
今日閉会予定の中国共産党大会で習近平国家主席が3期目入りするのは確実視されますが、経済面では成長の鈍化とそれに伴う色々な問題の噴出が予想されています。
中国の軽工業が世界の工場としての役割を少しずつだが他のアジア諸国に奪われつつあるのもその一つでしょう。経済成長を続けるためには、穴埋めする何かを見出すことが必要ですが、そう簡単ではないかもしれませんね。
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