今日(8月12日)の読売新聞朝刊一面に「小中高を通じて読書好きの人は思考力や行動力の高い大人になる」という調査報告がでていた。
ポイントは次のとおりだ。
『小学生から高校生までの間に読書量が多かった人は、大人になった時に「物事に進んで取り組む意欲」(主体的行動力)や「一時的な記憶力」(認知機能)などが高い傾向にあることが、国立青少年教育振興機構の調査でわかった。機構は「小中高校と継続して読書している人は各種能力が高いことが示された」としている。』
これは江戸末期の儒学者佐藤一斎が言志晩録の中で述べていることと一致している。
佐藤一斎は「少にして学べば、則ち壮にして為すこと有り 」「壮にして学べば、則ち老いて衰えず」と述べている。
少年の時に勉強しておけば壮年になってから、それが役に立ちなにごとかをなすことができる。壮年の時に勉強しておけば老年になっても気力が衰えることがない、ということだ。
佐藤一斎の目指すところは人の世のリーダーたる主体的行動力のある人間を作ることだった。佐藤一斎の人間学は吉田松陰や西郷隆盛など幕末明治維新の英傑の人格形成に大きな影響を与えている。
当時の勉強の中心は古典を読むことだった。つまり佐藤一斎は古典を読むことで思考力や主体的行動力が涵養されると説いたのだった。
佐藤一斎は「老にして学べば則ち死して朽ちず」と結んでいる。
年をとっても勉強を続けていれば、見識が高まり、社会に貢献することもあり、死んでから名前が朽ちることはないという意味だ。
シニア世代に励みになる言葉である。年を取ってからも読書や勉強を続けるためには子供の頃からの読書週間が必要なのだと考えてよいだろう。
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