大分の山二日目は坊ガツルから平治(ひいじ)岳から大船山(たいせんざん)を登り、法華院温泉に泊まるというコース。大分の山は地名の読み方が独特でワードの転換が簡単に進まないことが多い。平治岳を「ひいじ」と読むのもそうだし、平治岳と大船山の間の峠・大戸越を「うどんごし」と読むのもその一つだ。そしてその変わった読み方の中に九州の山の雰囲気を感じる。
「今日は午後3時ごろまで天気は持つでしょう」という飯田(はんだ)ヒュッテのマスターの言葉を頼りに、朝飯の代わりに弁当を作って貰い宿を早めにでることにした。5時45分頃長者原(ちょうじゃばる)の駐車場到着。5時54分登山開始。
朝の天気は晴。長者原の草原の向こうに三股山(左)と硫黄山(登山禁止)が見える。写真右の石碑は「筑後川源流の碑」だ。九州の大分水界は九重連山の東の黒岳から大船山・久住山とつながり、その南側の水は大分川や大野川となり別府湾にそそぎ、北側の水は筑後川となり、有明海にそそぐ。今回の山旅は九州の大分水界の一部を歩く旅でもある。
さて長者原の標高は1,030mほど。ここから樹林帯の中を登り、標高1,320mの雨ケ池に7時11分到着。
目の前に見えるのは指山(1,449m)だ。雨ケ池から緩い道を下っていくと坊ガツルの湿原が見えてくる。
坊がつる賛歌では「四面山なる坊がつる」♭と歌われているが、川が流れていく北側はやや開けていて山影は遠い。写真は南側を撮ったもので、真ん中が九重連山(そして九州本土)最高峰の中岳である。7時55分坊ガツル到着。
坊ガツルの炊事場で即席ラーメンの朝食。8時30分登山開始。平治岳に向かう登山道はぬかるんで歩き難いところがある。路傍に小石の山があり「登山者の方は石を運んでぬかるんだところに埋めてください」と書いてあった。
途中ウツギの花が咲いていた。
9時27分 大戸越(うどんこし)到着。リユックをそこに置いて空身で平治岳(1,643m)を往復することにした。
平治岳の山腹にはところどころミヤマキリシマが咲いている。
しかし残念なことに「山紅(くれない)に燃ゆる」というには程遠い。10時9分頂上到着。平治岳の登りは一ヶ所岩場があるという中々急なものだった。平治岳の登山道は「登り専用」「降り専用」に分かれている。降りルートは岩場がなくサクサク降ることができた。10時41分大戸越に戻り、リュックを担いで北大船の登りにかかった。登り出してしばらくすると雨が降ってきたので、雨具を着る。北大船の登りは、最初は灌木の中の急登で中々きつい。傾斜が緩んでくると木々が低くなり、時々見えるミヤマキリシマが心を和ませた。
今回見たミヤマキリシマの中で一番きれいだと思ったのは写真の北大船山頂付近の花だった。11時48分北大船頂上。11時52分北大船と大船山のコル・段原(だんばる)に到着。昼食。
細かい雨の中に大船山の頂上が見えた。九重連山は同じような高さの山が割拠しているが、それぞれの山はかなり個性的な風貌と眺望を持っている。主峰・久住山と登山者の人気を二分する大船山の姿は堂々としている。12時31分大船山山頂。12時50分段原に戻り、13時57分坊ガツルに到着。少し休んで法華院温泉に到着したのは14時17分だった。
法華院の温泉につかり冷えた体を温めるとビールが美味かった。