金融そして時々山

山好き金融マン(OB)のブログ
最近アマゾンKindleから「インフレ時代の人生設計術」という本を出版しました。

ネパールの大学は皆トリブバン?沢木耕太郎の本の話だが・・・

2025年02月25日 | うんちく・小ネタ
 この前ネパール人夫妻が日本に遊びに来た時、聞けば良かったのだが、タイミングを失し、確認できなかった笑い話がある。
 その話は沢木耕太郎のバーボン・ストリート(新潮文庫)の中のクレイジー・クレイジーに出てくる。
 「ネパールにトリブバン大学という有名な大学がある。この大学は超エリート校でこの大学を出るとエリートとして将来が約束されているので、受験生が殺到した。この過熱状況を沈静化するため、文部省のある役人がコペルニクス的転回というべき名案を思い付いた。それは全ネパールの大学をトリブバンと改名するというものだった。」沢木耕太郎は「驚くべきことに学制改革の際にこの案は採用され、ネパール中の大学はすべてトリブバンという名に変わったという。本当か嘘か確かめることもしなかったが、この話は悪くなかった。」と結んでいる。
 無論この小話は超有名校への受験生の集中を揶揄した作り話だと私は思う。
 なぜなら現在ネパールにはカトマンズ大学、ネパール工科大学など幾つかの大学があるからだ。また総ての大学がトリブバン大学では、トリブバンは大学という普通名詞になってしまうだろう。
 ということで話を面白くした小話なのだろうが、この話がネパール生まれなのかどうかをちょっと聞いて見たかったが、今回はその機会をなくした。
 ちなみにトリブバンというのは「三つの世界」という意味でヒンドゥー教では天界・人間界・地獄界を指すらしい。トリブバンはカトマンズの空港名にもなっている。
 ところで現在ネパールの大学生はトリブバン大学などネパール国内の大学に進むより(あるいは進学した後で)海外の大学で勉強することを選好するようだ。海外で先端的な学問を勉強してそのまま海外で働く若者も多い。でもそんな傾向が続くと国が空洞化してしまうだろう。もう一度国内に超エリート校を作る試みがあっても良いかもしれない。
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段取りがよくないと旅はできないが‥‥

2025年02月24日 | うんちく・小ネタ
 先週ネパールから知人のB夫妻が日本に来ていた。私が昨年11月にネパールに行った時「ネパールの観光旅行が暇な2月頃久しぶりに日本に来たらどうだ?」と私の方から誘っていたので、今月来た次第。彼はネパールで小さな旅行会社を経営しているので、春先や秋は忙しいのだ。
 来るのは歓迎だが、彼らの段取りの悪さやスケジュールをコロコロ変えるのには少々疲れた。
 まず直前までやってくる日が決まらない。これは在ネパール日本大使館にビザを申請する必要があるのだが、その申請が遅れたことにある。ビザの申請には日本側の招待者(この場合私)の招待状や滞在費や帰国費用の支払を保証する保証書が必要なそうだが、その作成の依頼がギリギリにやってきた。また作成した文書を電子メールで送るとしばらくして、サインしたオリジナルが欲しいので郵送してくれと依頼がきた。郵便局からEMSで送ると「まだ届かない。トレースしたい」というのでトレース方法をメールで連絡するなど色々な雑事が次々と発生した次第。で結局ビザは降りたが後で聞くと「サインしたオリジナルは以前は必要だったが今は不要になっていた」とのこと。旅行会社の社長なんだからちゃんと調べておけよ、と言いたくなった。
 ホテルの予約は直前になって私がBooking.comで行ったが、B氏は「東京は気に入ったし、友人と会いたいのでもう一泊したい」と前日に言い出す始末。その時泊まっていたホテルは満室で連泊不可なので、近所のホテルを予約してなんとかB夫妻の希望を適えた次第だが、彼らが日本語が分かるなら「あんたらほんとにいい加減やな。もうちょっと段取りよく旅してよ」というところだ。
 段取り悪いというのを英語でいうなら、You are not well organized.というところだが、これはちょっと強過ぎるかもしれない。
 段取りが悪い、効率的にモノゴトが整理されていないというのは、ビジネスパーソンにとって致命的な批判ともいえるからだ。
 段取りの悪さはB氏固有の問題だけではなく、ネパールの社会経済システム全体にいえることだからだ。非効率なシステムの中で暮らしているうちに皆が段取りが悪くなってしまったということはあるだろう。
 私はふとレイモンド・チャンドラーの有名な言葉を思い出した。
「強くなければ生きていけない。やさしさがなければ生きていく値打ちがない」
 言い換えるなら「段取りが良くないと旅は進まない。スケージュールの変更を許容する曖昧さがなければ旅は面白くない」ということになるのだろうか。
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刻々とかわる外交問題をざっと見るにはAIツールが便利だ

2025年02月23日 | デジタル・インターネット
 トランプ大統領になってアメリカの外交政策の方向転換が著しい。
 「アメリカファースト」に沿って、アメリカの軍事支出を減らすため、ウクライナでの休戦を急ぐあまり、ロシアに寄り過ぎるなど気になることが多い。
 もっともトランプ外交は駆け引きの部分も大きいので何が本当の狙いなのか?などよく見極める必要がある。
 とにかくWSJ等に多くの記事が次から次に流れてくる。
 それを英語で一々丁寧に読むのは大変だ。

 こんな時便利なのが、AIを使った記事の要約機能だ。
 私はAIアシストのモニカを使っているが、モニカは「英文記事を賛否の両目面から要約する」という機能がある。
 AIの翻訳はまだ全面的に信用することはできない。
 しかし賛否両論を取りまとめ要約する機能はかな機能していると思う。
 私は興味本位で長い英文を読み込んでいる訳でもないし、英語の訳出によって何がしかの報酬を得ている訳ではない。米国の外交問題が今後の資産運用に影響を与えると信じているからザックとその動向を捉えておきたい訳だ。
 だから多くの記事を斜め読みする必要があるのだ。
 そんな時「英語の達人」でもなければ、翻訳ソフトにより訳出された記事を日本語で読む方がパフォーマンスは良いと感じている。
 記事の斜め読みで生産性をあげて、もっと有意義なことに時間とお金をかけたい、そのためならAIであれ何であれ使いましょうというのが私のスタンスだ。
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トランプの「逆ニクソン」外交は西側諸国の分裂を招く

2025年02月22日 | 国際・政治
 ロシアのウクライナ侵攻を正当化するように聞こえる最近のトランプ大統領の発言に強い違和感を覚える人も多いと思う。
 何故トランプ大統領はプーチン大統領を持ち上げるような発言をするのか?
 それはロシアをアメリカ側に引き寄せることで、アメリカの最大のライバルである中国とロシアの間にくさびを打ち込みたいからだ、と外交政策の専門家は述べている。
 WSJのWahington's embrace of Putin aims to drive wedge between Moscow and Beijingという記事はこの点を説明していた。
 Drive wedgeは「くさびを打ち込む」である。1970年代初期にニクソン大統領はそれまでの外交政策を転換し、中国に融和的な政策をとった。その狙いは中国の経済成長を促進することでロシアと中国の共同戦線を弱め冷戦を終結することにあった。
 今トランプ大統領が行おうとしていることは、孤立化し中国頼みになっているロシアに手を差し伸べることで、ロシアと中国の共同戦線を弱めることにある。
外交専門家の間ではトランプ大統領の試みはreverse Nixon「逆ニクソン」とあだ名がつけられているそうだ。
 しかしこの記事はサブタイトルの中で「1970年代のニクソンとキッシンジャーの指し手とは異なり、この戦略は西側諸国の分裂を招く恐れがある」と説明されている。
 Unlike Nixon and Kissinger's gambit in the 1970s, the strategy threatens to divide the West
 万一ロシアのウクライナ侵略が米国に正当化されるようなことがあれば、中国はそれを台湾併合の先例と主張するのではないか?
 日本はプーチンのウクライナ侵攻を認めるような行動をとってはならない。くさびを打ち込まないといけないのは、ロシアの領土欲に対してだろう。
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バフェットが株を買わないのに我々が買う必要がある?

2025年02月22日 | 投資
 WSJにWhy is Warren Buffet hoarding so much cash?「なぜウォーレン・バフェットは大量の現金を蓄えているのか?」という記事が出ていた。
 記事によると、バフェットが経営するバークシャー・ハサウェイは、過去8四半期にわたり株を売り越していて、この四半期も売り越す見込みが高いようだ。
 その結果総資産に占める現金比率は約27%に達している。
 バークシャー・ハサウェイをよく観察している人は「株価が上昇し過ぎて魅力的な投資対象がない」ことが現金増加につながっていると分析する。
 最近高値を更新したS&P500は向こう12カ月の予想利益の22.3倍で取引されているが、これは過去10年の平均である18.6倍をかなり上回っている。
 昨年のバークシャー・ハサウェイの年次総会でバフェット氏は「我々は現金を使いたいが、リスクがほとんどなく、多額の利益を生むと思えない限り、現金を使うことはないだろう」と述べていた。
 この考えに従えば今は株式投資をするにはリスクが高いということになる。
 昨日米国株は大きく売り込まれ、ダウは1.69%、ナスダックは2.2%、S&P500は1.71%下落した。
 1月の既存住宅販売が前月比4.9%減少し、4百万戸強にとどまるなど景気の減速を示す経済データが続いたことが原因だ。
 また著名な投資家スティーブ・コーヘン氏が「大規模がコレクションが起きても驚かない」と講演で述べたことも影響しているかもしれない。
 コーヘン氏はトランプ大統領による関税引き上げ政策や連邦政府の経費削減政策が経済成長の鈍化を招き、それが株価の重しになると述べたのだった。
 米国株がPERから見て歴史的に高値圏にあることは総ての投資家が知っている。今多くの投資家は「売る」理由を探しているのだろう。
 バフェット氏やコーヘン氏の言動が多くの投資家に売る理由を与えるとすると株価の見通しは当面暗そうだ。
  
 


 
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