憲法記念日
自民党憲法改正草案を読む/番外72(情報の読み方)
2017年05月03日読売新聞(西部版・14版)は「安倍インタビュー」をトップに掲載している。
一番の注目点は「教育無償化」。
いいことのようだが、簡単に喜ぶわけにはいかない。
安倍が狙っているのは「教育の無償化」によって若者に希望を与えることではない、将来の選択肢を増やすことではない。逆である。「無償化」を条件に、選択肢を狭めることを狙っている。
大学だけに限って書いてみる。
いまでも「教育無償化」がおこなわれている大学がある。「防衛大学」である。無償どころか、給料まで出る。ただし、卒業後の職業の選択は自由ではない。指定された「職業」以外につくときは、「無償化」は破棄される。
同じことが、あらゆる「学問」に適用される。大学を選んだ瞬間から、職業が決定される。これは逆に言うと、「大学入試」が「選別試験」になるということだ。
そんなことをすれば批判が高まる。実行できるはずがない、と思うかもしれない。
だからこそ、安倍は「教育勅語」を小学校からたたき込もうとしている。「森友学園(安倍晋三記念小学校)」は安倍昭恵の不手際で失敗したが、どさくさにまぎれて「教育勅語を学校で教えてもいい」と閣議決定している。「教えてもいい」は「教えろ」ということである。
「学校の土地代、なんとかなりませんか?」という質問は「忖度」を呼ぶ。「教育勅語を教えてもいい」という閣議決定は「教えないなさい」を通り越して「教えることは義務である」に簡単に変わる。
推奨される「道徳」は「親を大切に、友人を大切に」ではなく、「上のものの言うことには従え」「批判はするな」である。
教科書の、町のパン屋が日本的な文化の紹介になっていないという理由で、和菓子屋に書き換えさせられている。(教科書会社が「忖度」して書き換えたということになっているが……。)
「上のもの言うこと(国の方針)に従え」は、すでに始まっている。
「教育無償化」の名のもとに、「教育の自由」が剥奪される。現実に対する批判力を身につけるということが禁止される。
「美しいことば」の裏には「危険な企み」が隠れている。
現実におこなわれていることと結びつけて「意味」を探らないといけない。
「9条に自衛隊明記」も、巧妙な「嘘」である。「軍隊」を「自衛隊」と言い換えることで「事実」をごまかしている。
安倍は「北朝鮮情勢が緊迫し、安全保障環境が一層厳しくなっている中、『(自衛隊は)違憲だが、何かあれば命を張ってくれ』というのはあまりにも無責任」と言っているが、様々な対策を考えずに「軍隊」に頼る方が無責任だろう。どうやって戦争を回避するか。方法は「軍隊」だけではない。軍事衝突は拡大するだけである。死者を伴わない戦争はない。対話による平和を生み出す能力のない人間が「軍隊」に頼る。
ほんとうに戦争を起こす覚悟があるのなら、戦後のことも視野に入れて憲法をみつめないといけない。朝鮮半島で戦争が起きれば難民が大量に生まれる。日本が勝ったとしても難民が生まれる。難民をどう受け入れるか。難民のために日本の国をどう変えていくか。そこまで視野に入れているのか。
(この文章にはつづきがあります。事情があって、ネットでの公表はしません。つづきを読みたい方は、「番外編講読希望」と明記の上、yachisyuso@gmail.comへお申し込みください。なお、ネットで公表している文章以外の転写はしないでください。)
#憲法記念日 自民党憲法改正草案 安倍批判
自民党憲法改正草案を読む/番外72(情報の読み方)
2017年05月03日読売新聞(西部版・14版)は「安倍インタビュー」をトップに掲載している。
憲法改正20年施行目標/9条に自衛隊明記/教育無償化 前向き
一番の注目点は「教育無償化」。
いいことのようだが、簡単に喜ぶわけにはいかない。
安倍が狙っているのは「教育の無償化」によって若者に希望を与えることではない、将来の選択肢を増やすことではない。逆である。「無償化」を条件に、選択肢を狭めることを狙っている。
大学だけに限って書いてみる。
いまでも「教育無償化」がおこなわれている大学がある。「防衛大学」である。無償どころか、給料まで出る。ただし、卒業後の職業の選択は自由ではない。指定された「職業」以外につくときは、「無償化」は破棄される。
同じことが、あらゆる「学問」に適用される。大学を選んだ瞬間から、職業が決定される。これは逆に言うと、「大学入試」が「選別試験」になるということだ。
そんなことをすれば批判が高まる。実行できるはずがない、と思うかもしれない。
だからこそ、安倍は「教育勅語」を小学校からたたき込もうとしている。「森友学園(安倍晋三記念小学校)」は安倍昭恵の不手際で失敗したが、どさくさにまぎれて「教育勅語を学校で教えてもいい」と閣議決定している。「教えてもいい」は「教えろ」ということである。
「学校の土地代、なんとかなりませんか?」という質問は「忖度」を呼ぶ。「教育勅語を教えてもいい」という閣議決定は「教えないなさい」を通り越して「教えることは義務である」に簡単に変わる。
推奨される「道徳」は「親を大切に、友人を大切に」ではなく、「上のものの言うことには従え」「批判はするな」である。
教科書の、町のパン屋が日本的な文化の紹介になっていないという理由で、和菓子屋に書き換えさせられている。(教科書会社が「忖度」して書き換えたということになっているが……。)
「上のもの言うこと(国の方針)に従え」は、すでに始まっている。
「教育無償化」の名のもとに、「教育の自由」が剥奪される。現実に対する批判力を身につけるということが禁止される。
「美しいことば」の裏には「危険な企み」が隠れている。
現実におこなわれていることと結びつけて「意味」を探らないといけない。
「9条に自衛隊明記」も、巧妙な「嘘」である。「軍隊」を「自衛隊」と言い換えることで「事実」をごまかしている。
安倍は「北朝鮮情勢が緊迫し、安全保障環境が一層厳しくなっている中、『(自衛隊は)違憲だが、何かあれば命を張ってくれ』というのはあまりにも無責任」と言っているが、様々な対策を考えずに「軍隊」に頼る方が無責任だろう。どうやって戦争を回避するか。方法は「軍隊」だけではない。軍事衝突は拡大するだけである。死者を伴わない戦争はない。対話による平和を生み出す能力のない人間が「軍隊」に頼る。
ほんとうに戦争を起こす覚悟があるのなら、戦後のことも視野に入れて憲法をみつめないといけない。朝鮮半島で戦争が起きれば難民が大量に生まれる。日本が勝ったとしても難民が生まれる。難民をどう受け入れるか。難民のために日本の国をどう変えていくか。そこまで視野に入れているのか。
(この文章にはつづきがあります。事情があって、ネットでの公表はしません。つづきを読みたい方は、「番外編講読希望」と明記の上、yachisyuso@gmail.comへお申し込みください。なお、ネットで公表している文章以外の転写はしないでください。)
#憲法記念日 自民党憲法改正草案 安倍批判