ロバート・A・ハインラインの名著『人形つかい』(福島正実訳、ハヤカワ文庫SF)の新装版見本が届きました。
森下が「解説」を書かせてもらっています。やや固い話になってしまったので『夏への扉』などでハインラインに興味をもった人から敬遠されてしまうとマズイなあと反省しています。でも、内容は読みやすい作品ですので、未読の方はどうぞお買い上げくださいませ。m(__)m
森下が「解説」を書かせてもらっています。やや固い話になってしまったので『夏への扉』などでハインラインに興味をもった人から敬遠されてしまうとマズイなあと反省しています。でも、内容は読みやすい作品ですので、未読の方はどうぞお買い上げくださいませ。m(__)m
これは1951年、ハインラインとしては初期から中期へさしかかる頃の作品ですが、後期の好色な側面の萌芽のようなところもあって「合法的」にヌードを登場させる場面などニヤリとしてしまいます。しかし、このことは解説には書きませんでした。
また、文中にA・E・ハウスマンの詩の一部がセリフとして引用されており、これは編集のK池さんに教えていただき、自分でも少し調べたのですが、どうやらハインラインはこの詩人の作品をかなり読み込んでいたようです。「地球の緑の丘」という作品タイトルも彼の詩をもじったものだと思われます。自らが同性愛者であることを反映させた詩人の複雑な作品をハインラインが好んだことはかなり意外で、興味深いのですが、これも解説からは外しました。
では、何を書いたのか?
ウォルター・ミラー・ジュニアの中編「黒い恩寵」(名作です)やハル・クレメントの『20億の針』との関連で作品の背景を探った……とここには書いておこう。興味がおありの方は現物に当たってみてください。
国会の証人喚問が気になる一日。午前の姉歯元建築士の証言を、最初はテレビで、残りはラジオで(仕事をしながら)聴きました。
「圧力を受けたから」ということですが、「他にやっている人は知らない」と本人もいうような偽装を8年にもわたって続けられた人物の心理が、彼への尋問を聞いた今でも、よくわかりません。現実に危険な建物が建ち続けたことへの想像力が完全に欠如していたのでしょうか。どうにもやりきれない思いです。