惑星ダルの日常(goo版)

(森下一仁の近況です。タイトルをはじめ、ほとんどの写真は交差法で立体視できます)

『クマムシ?!』

2006-08-17 20:48:15 | 本と雑誌
 時おり雨の降る、とても蒸し暑い一日。
 なので、夕方はしょうこりもなく市民プールへ。長距離泳、600メートル。合計850メートル。

 鈴木忠(あつし)『クマムシ?!――小さな怪物』(岩波科学ライブラリー)はわくわく楽しいクマムシ入門書。
 オビには「日本初のクマムシ本ついに誕生」とあります。つまり、全国のクマムシファンはこういう本が出るのを待ち焦がれていたのですね。そのことを編集部もよく知っているので、こういう惹句になったにちがいない。

 私見によれば、現在、動物界における2大スーパースターはクマムシとハダカデバネズミである。

 ハダカデバネズミの本はまだないようなので、とりあえずはチャールズ・ストロス『シンギュラリティ・スカイ』(金子浩訳、ハヤカワ文庫SF)に登場する「クリティック」なる珍妙な存在で気を紛らすしかない(でかいハダカデバネズミの格好をしているのです)。ま、関東の人ならば上野動物園に出かけて実物を見るという必殺手もありますが。

 待望のクマムシ本は、予想どおり、とても楽しい。
 著者はクマムシの研究家。昨春から1年間「コペンハーゲン大学動物学博物館で海産クマムシの卵形成を研究」とある。
 よほどクマムシが好きらしく、クマムシを愛する心が伝わってくる文章は読んでいてこちらもうれしくなる。絵もたくさんある。写真もいっぱいある。

 で、クマムシのことがよくわかるかというと……だいたいのことはわかるが、わからないことも多い。クマムシはそんな存在なのですね。わからないところまで含めて、クマムシは魅力的だ。
 人はどうしてこんなにクマムシに惹かれるのだろう?

 岩波書店のこのページでは、乾燥して「樽」になったクマムシが水をかけられて復活する様子や、愛らしい動きのムービーが見られます。