昨日の話になりますが、日曜日の朝日新聞〈読書〉面の片隅をしみじみと見つめてしまいました。
「週間ベスト10」として、毎回ちがった書店や取次店のよく売れた本が紹介されています。
今回は東京堂神田神保町店の5月25日~6月1日の文芸書部門のリスト。以下のとおりでした――
- 『古い洋画と新しい邦画と 本音を申せば』(小林信彦著、文藝春秋)
- 『虚構の男』(L・P・デイヴィス著/矢口誠訳、国書刊行会)
- 『岳飛伝17 星斗の章』(北方謙三著、集英社)
- 『闇と静謐』(マックス・アフォード著/安達眞弓訳、論創社)
- 『翻訳出版編集後記』(常盤新平著、幻戯書房)
- 『須賀敦子の手紙 1975-1997年 友人への55通』(須賀敦子著、つるとはな)
- 『大河内常平探偵小説選Ⅱ』(大河内常平著、論創社)
- 『羊と鋼の森』(宮下奈都著、文藝春秋)
- 『挿絵叢書 竹中英太郎(一)怪奇』(末永昭二編、皓星社)
- 『魔法の夜』(スティーヴン・ミルハウザー著/柴田元幸訳、白水社)
変な言い方になりますが、「とても美しいリスト」。
著名な本と、珍しい本と。大出版社と、弱小(失礼)出版社と。国内作品と、翻訳作品と。見事に調和がとれていて、本の世界の広がりと奥深さを感じます。
こんなふうな売れ方をする書店は魅力的ですねえ。そして、良いお客さんを集めている。神保町ならではでしょうか。