昨夜は新宿西口新宿アイランドタワーにて「第1回ショートショート大賞」贈呈式。
昨年11月に創設された賞(主催:キノブックス)で、「単なる〈小説家〉ではなく、〈ショートショート作家〉の発掘・育成を目的とした文学賞です」と謳っています。きっぱりとしていて、わかりやすいですね。
応募は、何と7817編もあったそうです。
受賞作は次のとおり――
- 大賞
「瓶の博物館」堀真潮
- 優秀賞
- 「雨女」高山幸大
- 「靴に連れられて」梨子田歩未
- 「紙魚の沼」行方行
写真、左から審査員長の田丸雅智さん、大賞の堀さん、優秀賞の高山さん、梨子田さん、行方さん。
設立されてまだ2年半あまりの出版社が取り組んだ企画で、贈呈式は小ぢんまりとした会場ながら若い熱気がムンムン。主催者挨拶に立った古川絵里子社長も「文化を広く深く耕してゆきたい。この賞は2回、3回と続けます」と意気込みが伝わってきました。
審査員長の田丸さんは、ショートショート作家として大活躍中ですが、この賞を創設した理由を、
「根底には強い危機感があった。2年前、最初の『夢巻』を出すまで日本ではショートショートの本が出せない状況だった。ショートショートの良さを多くの人に知ってもらうためには1人で頑張ってもしょうがない。ライバルを増やし、仲間を増やして、活気のある健全な業界にしたいと考えた」
と述べ、ショートショートという表現形式への強い情熱を示していました。
受賞者には、書き始めて1年という人もいれば、小さい頃から書いていたという人も。手を染めやすく、同時に奥が深いジャンルであることの表れでしょう。
受賞作の載ったブックレットは全国主要書店で無料配布されているとか。次回以降も大いに盛り上がることを期待します。