昨日、書いた『集英社国語辞典』(第1版)の歌詞例文。気になるので、またちょっと見てみました。
やはり助詞で、「だけ」の項目。
「限定する意を表す」の例文に――
- 海鳴りだけを聞いている (「津軽海峡冬景色」)
- 一目だけでも会いたいの (「雨に咲く花」)
- 夢に流れていくだけね (「新宿ブルース」)
やってますねぇ。「雨に咲く花」は昨日も登場しました。
最後の「新宿ブルース」は難しかった。「恋にせつなく降る雨も~」というのが歌いだしで、なかなか渋い選曲です。
例文を作った(?)人は演歌ファンなんでしょうね。ほかにもいっぱいある。
〈ナンクロメイト〉8月号発売中。担当の新刊紹介欄で次の3冊を取り上げています――
- クリスチャン・キーザーズ 『共感脳 ミラーニューロンの発見と人間本性理解の転換』 (立木教夫+望月文明訳、麗澤大学出版会)
- ウィリアム・サローヤン 『僕の名はアラム』 (柴田元幸訳、新潮文庫)
- ウェルズ恵子 『アメリカを歌で知る』 (祥伝社新書)
今年前半は何冊もの優れたノンフィクションと出会いましたが、内容的には『共感脳』がいちばん。ヒトという生き物の理解が大きく変わります。
『僕の名はアラム』は、これまで『我が名はアラム』という邦題で親しまれてきた名作の「村上柴田翻訳堂」版。大好きな1冊が嬉しい新訳となりました。