惑星ダルの日常(goo版)

(森下一仁の近況です。タイトルをはじめ、ほとんどの写真は交差法で立体視できます)

磁性流体

2016-08-30 20:40:49 | アート・文化

 台風10号は関東の東の海上を北上し、岩手県に上陸。我が家のあたりでは、ほとんど影響がありませんでした。
 朝がたの雨を警戒していたのですが、時おり目を覚まし、耳を澄ましてみても、風の音すらせず、かえって不気味に感じたほどでした。

 夕方、まだ通り雨の残るお天気の中を歩いて、市の文化会館へ。
 1階展示室で開かれている「児玉幸子――磁性流体彫刻とメディアアートのデザイン」展を見ました。

 磁性流体とは、磁力に反応する液体のこと。極めて微小な金属粒を水や油などに混ぜ込んだもののようです。
 児玉さんの動く立体彫刻は、電磁石による磁力の強弱によって、この磁性流体を変動させ、形の変化を見せる仕組みになっています。
 液体が滑らかに動きながらいつの間にか固体となって鋭い刺や塔を形成したかと思えば、逆にあっというまに流れ落ちる。まるで生命のあるもののような動きを見せます。

 じっと眺めていて、スタニスラフ・レムなら異星の生命体としてこのような存在をうまく描写できるのではないかと考えました。『ソラリス』や『砂漠の惑星』に登場する「生きもの」に通じるような異質な生命体のような彫刻。ユーチューブでその一端を見ることができます。
 他にも、インタラクティブな色の変化を楽しむ彫刻があったりして、とても面白い。9月19日まで開かれています(入場無料)。