仕事場の床に、小さな黒いものが落ちていました。
何かと思って拾い上げると、ハエトリグモの死骸。
アダンソンハエトリの♂のようです。白い触肢(甲虫でいえば触角にあたる器官)が、よく目立ちます。
天寿をまっとうしたことを祈って、しばし黙祷。永らくこの部屋で狩りをしていたのかと思うと、他人のようには思えません。何度もいいますが、生まれ変わることがあるならば、私はハエトリグモになりたいのです。
亡骸を安置する場所をつくり、デジカメで撮影しましたが、こうして眺めると、頭部の全面にある4つの眼が実にみごとですねえ。動物の中でいちばん立派な目玉ではないかしらん。
ギランギランとしたこの目玉で、獲物を求めて徘徊していたのかと思うと、またこみあげてくるものが……。
ご冥福を祈ります。