朝、起きてすぐ、録画してあったアメリカ合衆国新大統領就任式の模様を見ました。
気になっていた就任演説。
私の耳には、選挙演説中のスローガンの繰り返しにしか聞こえませんでした。これまでの政治をこき下ろし、国民の政治にする、製造業を国内にとりもどし雇用を増大する、アメリカをいちばんにする。
聞きながら浮かべていたイメージは、壁にとり囲まれた中で満足しようとする人々の姿。外国からの安いものは拒否し、自国の高いものを外国に売りつけようとしてもうまくゆかない(もし売りたければ、アメリカの労働者はメキシコ並みの賃金に甘んじるしかないでしょう)。
経済を製造業のみで語っているのも気になります。サービスや文化や情報はどうなるのか。
そもそも、今日の世界をどうとらえているのか、どうしてゆきたいのかという、グローバルな認識やビジョンが欠けているのが解せません。その上で、国のあり方を考えるのが基本なのに。
新大統領には若くて有能なスピーチライターがついているそうですが、今回のスピーチには関与していないのではないでしょうか。事前に、就任演説は新大統領自身が書いているという報道がありました。
ま、新大統領の考え方がそのまま伝わったという点では、スピーチライターの手が入ってないことは有り難かったといえそうです。しかし、それにしても……。