ハードSF研の機関誌〈ハードSF研究所公報〉最新号が届きました。
なんと、150号!
創刊は1982年だそうで、年4.2冊のペース。
凄いです。石原藤夫さんの努力の結晶。
しかも、ここ数年の内容の充実ぶりが素晴らしい。頭が下がります。
で、その150号に掲載されている森田裕さん(大学SF研の大先輩です)の「コレクターの本棚から 22」に登場する女性作家に興味を引かれました。
フランシス・スティーヴンス。知らない人でした。
森田さんの記事によると、1883年生まれで、亡くなったのは1948年らしい。
以下、森田さんの紹介からですが、「ダーク・ファンタジーの創始者」といわれる作家で、同系統のラヴクラフトよりもデビューは早く「ラヴクラフトがスティーヴンスを絶賛し影響を受けた」とも言われるが、確たる証拠はないそうです。A・メリットも彼女の作品を好み、こちらは影響を受けているとか。
サム・モスコウィッツによれば「メアリ・シェリーとC・L・ムーアの間の時期に存在する最も才能ある女流SF作家」ということになる。
執筆期間は短く、1910年代後半から20年代前半にかけて。世界初のSF雑誌〈アメージング・ストーリーズ〉が創刊されるよりも前の時代です。
ピーター・ニコルズ編の『SF百科事典』にも簡単に経歴などが載っていますが、情報は森田さんの記事に及ばない。
ネットで検索してみると、『妖精の罠』という翻訳作品が電子書籍として売られています(税抜きで190円)。原題は"The Elf Trap"で1919年の短編のようです。翻訳者も販売者もわからないので、ちょっと心配。
長編をどこかで紹介してもらいたものです。
しかし、こんな作家のことをさらっと書いてしまうとは。さすが、森田先輩!