惑星ダルの日常(goo版)

(森下一仁の近況です。タイトルをはじめ、ほとんどの写真は交差法で立体視できます)

山羊の木

2018-09-30 21:03:07 | 日記

 台風24号の動きを気にしながら、ほぼ一日、家にいて本とか新聞とか読んでました。

 雨雲の様子を見ていると、故郷の高知はお昼前からずっと激しい雨の様子。台風は土佐湾を北東に進んでいるので、風がそれほどでもないようなのが安心材料ですが(それでも室戸岬は風、凄い)、この後は関東も大変なことになりそう。
 午後8時半ぐらいから、風が激しくなってきました。もうJRの電車は止まっているんですね。あちこちの交通機関にも運休、遅れが出ているようです。

 で、本を読んでて、今日、驚いたのは〈日経サイエンス〉11月号に出ていた「ワイン酵母にアルガン油」という記事。
 ワインの酵母を保護するのにアルガン油が優れているという内容なのですが、そこに添えられたアルガンノキの写真が問題。木には何頭ものヤギが登って鈴なり状態なのです。
 記事にも「アルガンノキは家畜のヤギが集まることで知られている」とあります。私は知らなかった。

 で、ちょっとネットで調べてみました。
 「アミュージング・プラネット(面白い惑星)」というこのサイトが詳しいように思います(写真を見てびっくりしてください)。
 なるほど、アルガンノキの葉や実を求めてヤギは木に登るのですね。かつては、消化されずにヤギの糞に混じっていたアルガン種子を集めて、アルガン油を採っていたけれど、今は、別の方法があるので、ヤギに頼ることはなくなった。しかし、アルガン油ブームで収入の増えた現地の人は、ヤギを多く飼うようになり、増えたヤギがアルガンノキを傷めるので、アルガンノキは減少の危機にある、という複雑な事情もあるようです。
 それはともかく、ヤギが鈴なりになる木には驚きました。

 〈小説推理〉11月号が発売になりました。担当のSFレビューで次の2作品を取り上げています――

  • ニール・スティーヴンスン『七人のイヴ〈Ⅰ・Ⅱ・Ⅲ〉』(日暮雅通訳、新☆ハヤカワ・SF・シリーズ)
  • ジョー・ヒル『ファイアマン〈上・下〉』(白石朗訳、小学館文庫)

 どちらも大長編で、どちらも面白い。『七人のイヴ』は直近の未来と遙かな未来の人類が描かれる、内容的には二本立てのハード宇宙SF。『ファイアマン』は『華氏451度』と『ファイア・スターター』が一緒になったようなサスペンス・アクションSFといったところでしょうか。