平井和正さんが亡くなられたそうです(→平井さんの公式サイト)。享年76。心よりお悔みもうしあげます。
平井さんに初めてお会いしたのは、大学1年の冬ではなかったかと思います。渋谷で開かれていた「一の日会」の例会にいらして、若い会員を誘って食事に連れていってくださいました。「オレもいいのかな?」と、不安になりながらついていったことを覚えています。とても、直接、お話したりはできませんでした。
今から考えると、あれは取材の一環だったのかもしれません。それから数か月経って、『超革命的中学生集団』が朝日ソノラマから出版され、そこでは会の先輩諸氏が登場人物として暴れまくっていました。
私がデビューし、最初の本が出た時には、「心優しいSFを書いてください」というお言葉を頂戴しました。確か、年賀状でだったかな。本当にありがたかった。
それ以降は、会えばご挨拶をする程度のお付き合いでしたが、ここ20年ばかりはご無沙汰ばかり。
最後にお目にかかったのは2007年初夏、SF作家クラブが40周年記念誌を出した時のことでした。もう8年前になりますね。いつもニコニコしていらした印象しかありません。
作品に触れたのは、ずっと前。最初は小学校5~6年の頃。マンガ『8マン』の原作者としてでした。
中学校に入って〈SFマガジン〉で小説を読むことになりますが、「この人は凄い!」と思ったのは、池上遼一さんが作画したマンガ『スパイダーマン』を読んでから。激しい情念とほとばしるエロスに心が翻弄されてしまい、平井さんの小説を読み返したものでした。
激しい思い入れが生み出す作品には類例のない力があります。平井さんのSFが多くの人に読み継がれることを祈っています。