惑星ダルの日常(goo版)

(森下一仁の近況です。タイトルをはじめ、ほとんどの写真は交差法で立体視できます)

演歌

2017-02-18 21:44:06 | 

 船村徹さんが亡くなられたことで、演歌について、少し考えました。

 日本の流行歌でいえば、もともと演歌は存在せず、ジャズを起源とするジャズ歌謡の方が幅を効かせていました。二村定一さん以来、ラジオやレコードではこちらが本流。古賀政男さんにしても「影を慕いて」や「丘を越えて」など、初期の曲は洋楽系です。
 演歌がジャンルとして成立したのは、村田英雄さんの「王将」、畠山みどりさんの「恋は神代の昔から」、美空ひばりさんの「柔」などがヒットしてからでしょう。1960年代に入ってからのことです。

 「王将」を作曲した船村さんは、演歌のど真ん中にいた人ですが、1955年、春日八郎さんが歌った最初のヒット曲「別れの一本杉」を聴くと、どこか田端義雄さんふうでもあります。田端さんの歌は民謡と洋楽をミックスしたような不思議な世界ですよね。
 おそらく、村田さんや三波春夫さんなど、浪曲出身の歌手がいたことが演歌成立の大きな契機になったのでしょう。でも、それだけではなく、船村さんが「栃木弁で作曲」したといわれているように、日本の大衆的心情をそのままぶつける歌づくりの姿勢も、演歌の性格を決定したことは間違いありません。
 私にとっては、気恥ずかしいけれど心を揺さぶられるもの、といえるでしょうか。

 船村さんの1曲としては、北島三郎さんが歌った「なみだ船」(詞:星野哲郎)を挙げたいと思います。合掌。


佐藤さとるさん

2017-02-17 20:49:10 | ひと

 9日にお亡くなりになったという。享年88。

 なんといっても『だれも知らない小さな国』です。

 この本に出会ったのは小学校5年の時だったでしょうか。出版されて1~2年経ってから、学校の図書館に入ったのだと思います。

 読んだ時の気持ちを、今、思い出せば、「これはぼくのために書かれた物語だ」ということになるでしょうか。
 山の中の三角形の空き地も、そこを流れる小川も、後に大きくなって再会する女の子も、みんな自分の親しいもののように思えました。我が家の裏山に入ってゆけば、本当にそんなことがあるのではないかと、夢想したものです。
 ただね。小さな人たちだけは、別でした。これは想像の産物だとわかっていました。
 でも、それ以外はとてもリアルな感覚があり、読んでいるとすごく幸せな気分になったのでした。中学生の頃までに、何度、読み返したことか。

 後にシリーズ化されましたが、この1冊は特別。もう一人の自分の、真実の物語のように感じます。

 この本に出会ったことで、自分がどういう人間であるのかを、客観的に考える手がかりを得たように思います。佐藤先生、本当にありがとうございました。


近衛邸の欅

2017-02-16 21:08:43 | まち歩き

 午後、都心に出て、目白から下落合あたりを少し歩きました。
 ポカポカと暖かく、コートを来て歩いていると汗ばむほど。

 目白通りの「目白3丁目」交差点から南へ入る道を行くと、道路の中央にケヤキの古木が立っているところがありました。そこだけ道路が膨らみ、わずか数メートルですが、2車線になっていて、中央の小さな緑地にケヤキがポツンと生えているのです。
 祠でもあるのかな、と思って近づいてみると「近衛邸の車寄せにあったケヤキを住民の意思で残した」というようなことが書いてありました。
 かつてここにあった近衛文麿邸が取り壊された時、ケヤキだけは残すことにした。その結果、新設の道路が「股裂き」状態になったようです。
 お地蔵さんとかでなく、木そのものを残したのは珍しい。

 いいですねえ。今日は写真を取り忘れてしまったけれど、今度、出かけた時は必ず撮影しよう。


二月も半ばなのに

2017-02-15 20:45:53 | 季節

 立春を過ぎてもちっとも暖かくならず、冬の長さに辟易しています。
 でも、今日は少し空気が緩んだ気配。夕方の散歩の時、そんな感じがしてうれしく思いました。

 野川の畔で西の空を。雲の上に輝いているのは宵の明星です。

 今日のBGMはジュリー・ロンドン。女性ボーカルの極め付け。何もいうこと、ありません。


泥沼不倫

2017-02-14 20:48:10 | ニュース

 自転車でお遣いに行く途中、街路樹の枝が目に当たり、白目が赤くなってしまいました。思わぬところに危険が潜んでいる。

 それはともかく、今日は何といってもこのニュース――「既婚の巡査部長、別の女性と披露宴 直前に発覚」

 笑ってはいけないのですが、どうしてもこみ上げてきます。泥沼から足を抜くことができず、ズブズブと進むしかなかった警官。気の毒ではあるのですが……。

 披露宴の当日。双方の親族らが揃うはずなのに、男性側関係者の席には誰も来ない。これはどういうことだろう?
 「新婦」の親族が、夫となるべき相手を問い詰めたところ、真相が発覚。怒った親族が責め立てると、追い詰められた男性は携帯で知り合いに窮状を訴えた。すると、それを受けた人は警察に通報……。

 それにしても、去年の11月のことですよねぇ。
 今になって「警察への取材」で発覚したというのは、噂が記者の誰かに漏れてしまったということなんでしょうか。それが記者クラブ内で広がって……という展開が目に浮かびます。
 法的には事件にならないようですが、確かに、世相を知るという意味では、報道する価値があるのかなあと思いました。