エコノミスト誌は先週恒例の「ビッグマック指数」を発表した。ビッグマック指数というのは購買力平価の考え方に基づき世界各国のビッグマックの価格に比較による為替レートを算出したものだ。
具体的には例えばユーロ圏内のビックマックの価格は平均2.92ユーロである。これで米国のビックマック価格3.06ドルを割ることでビッグマック為替レート(購買力平価指数)が算出される。ユーロのビッグマック指数は1.05でこれは実際のユーロの対ドル為替レート1.22に対して17%程割高(過大評価)になっている。
同様な計算を他の通貨について行なった結果をエコノミスト誌は表にして掲載しているが、
主な通貨の過大・過小評価状況を抜書する。
なおパーセンテージの前の+はその通貨が過大評価されていること、-は過小評価されていることを示す。
ユーロ+17%、円-23%、英ポンド+12%、スイスフラン+65%、中国元-59%、
韓国ウォン-19%、タイバーツ-52%、インドネシアルピー-50%
概ね欧州先進国通貨が割高、アジア通貨が割安になっていると言える。
なおビッグマックの原価の内人件費・家賃・電気代等の非貿易財の割合は55%~64%を占める(エコノミスト誌)というから、ビッグマックの国別価格差のかなりの部分はこれら非貿易財の価格差が影響していると考えられる。従ってビッグマック指数を持って市場為替レートが過大・過小評価されていると決め付けるのは無理があるが、ある程度の参考にはなりそうだ。
余談になるが、この前スペインを旅行した時マクドナルドでビールを売っていることを発見した。通貨のパリティ計算の指標にもなる世界共通商品であるが、付属商品には地域性が出ているものだと感じた次第である。