金融そして時々山

山好き金融マン(OB)のブログ
最近アマゾンKindleから「インフレ時代の人生設計術」という本を出版しました。

中々グーなレストランS

2005年10月16日 | まち歩き

先日遅いランチを食べに愛宕のレストランShttp://www.tasaki-shinya.com/restaurant/restaurant.htmlに行った。地下鉄なら銀座線虎ノ門駅から歩いて7,8分。愛宕東急インの向かいである。レストランSは田崎真也さんが経営するフレンチのお店だが、この近所には同じく田崎さんが経営する和食処T(ティ)がある。正確に言うとTは愛宕神社の前にある。レストランSと和食処T。つまり田崎真也さんのイニシアルTとSを取って付けたのだろう。

ところで私のイニシアルはSとT。田崎さんとは苗字・名前のイニシアルが逆だが、頭文字がSとTであることには変わりないので妙な親近感を覚えていた。和食処Tには今年の初夏、愛宕神社の境内にシャガの花が咲く頃ワイフと食事に行った。店のコンセプトは良いのだが、現場のプロ精神が今一つ(例えばウエイターの人が自分がサーブしている料理の食材について知識がなさ過ぎる等)で、大きな感動は生まなかった。

さてレストランSには今回初めてちょっとした知り合いの女性とランチに出かけたのだが、食材の良さ・料理方法とともに店の雰囲気やウエイトレス(ソムリエと呼ぶべきか?)の知識・応対振りにも満足した。

ランチメニューの値段は@3,990円(税込み)で均一(ただし料理の選択によっては若干の追加料金あり)。前菜・メインから夫々一品選ぶ。平日の午後なのでレストランは空いていたので、聞きなれないメニューには質問を繰り返したが、きちんと対応してくれた。なお前菜もしっかりしたヴォリュームがあるのでこの値段はお値打ちというべきだろう。僕はグラスで白(リースニング)と赤(ピノ・ノワール)を一杯づづ飲んだが、そこそこの味だったと思う。

レストランの中は黒を基調としたインテリアで統一され雰囲気は落ち着いていて良好。トータルとして中々良いフレンチの店だと思った。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

何故米国株は不調なのか?

2005年10月16日 | 株式

先週のエコノミスト誌は「世界の株式市場は好調なのにどうしてアメリカの株式市場は不調なのか?」という小論文を載せている。確かに米国の景気は堅調なのだが、今年の米国株式市場は調子が悪い。米国株式市場が悪いと堅調な日本株も湿っぽくなるのだろうか?そんな関心事からエコノミスト誌の記事を読んだ。まずはポイントを紹介しよう。

  • 世界の株式市場はここ数週間粘ついて調子が悪い。これはインフレ懸念とアメリカの自動車部品メーカーデルファイの史上最大の倒産があったからだ。しかしかって言われた「アメリカがくしゃみをすれば残りの世界は風邪を引く」ことは今回は起こっていない。今年の米国株式は不調だが、欧州、日本、新興市場は好調だ。
  • 英国のFTSE100は4年振りの高値。日経平均も同様。更に好調なのは新興市場でトータルリターン(時価増+配当)は年初より21%になっている。因みに今年の日本株のトータルリターンは10%強である。
  • 米国経済は金利上昇や石油価格の高騰を振りはらって、成長ペースを維持しているので欧州諸国が羨んでいる。経済が好調なのに何故株式市場が不振なのは何故かという事に関しては、テクニカル面、ファンダメンタル面、心理面等色々な説明がある。
  • 最初の議論は米国の相対的なヴァリュエーションが今年初め一番高かったし、今でもまだ少し高いというものである。因みに9月末のPERは米国18.3倍、英国13.7倍、日本22.0倍、全新興市場14.1倍である。
  • 次の悪影響を与えている材料は金利上昇とイールドカーブのフラタニング(長短金利が接近すること)である。これらは通常ビジネスにとって悪い兆候である。2004年6月に連銀が金利引き上げを開始して以来、2年物米国国債と10年物米国国債の金利差は1.92%から0.2%へ縮小した。米国長期債の金利は連銀が金利引き上げを開始してからかえって低下しているが、それでもオーストラリアを除くほとんど総ての先進国の中で一番高い。株式と債券を比較した時世界的には株式は割安に見えるが、米国は金利が高いため、相対的に米国株が割安には見えないのである。
  • ファンダメンタルについては、米国には将来の眺望に関する楽観主義を萎ませる幾つかの問題点がある。一つはインフレ懸念である。次は貿易と財政の赤字である。3番目は企業収益の持続性である。米国の企業収益は歴史的トレンドから見て最大級であるだけに落ち込む時も一番大きいと見られることだ。
  • 米国の投資家が外国株投資を選好していることも米国株不調の原因の一つだ。この傾向は2004年3月から続いている。これは「米国の投資家が外国の株式の方が割安と考えいる」という見解をサポートするものである。
  • 最後に行動ファイナンスの面から見ると、エンロンやワールドコムのスキャンダルにより、資本市場全般に不信を持った投資家が投資を見合わせているというものだ。最近発表された論文ではファイナンシャル・データや株式市場システム全般の公正さに対する信頼度合いと投資家が株を買う傾向の間には相関関係があると言う。
  • また先月配当を保留した会社数が増えたことも懸念材料になっている。学術的な研究によれば、配当を留保した会社の株式のリターンは次の1年にわたって下落する。
  • しかしながら米国株に関するより広いアウトルックはもっとポジティブである。大部分は予想者はアメリカの経済成長は欧州の成長を上回り続けると信じている。また米国株のヴァリュエーションも以前よりは他の市場とバランスの取れたものになっている。発展途上国市場にも僅かながらかげりが見えている。

なお若干のコメントを付け加えると、米国株式市場の時価総額で大きな割合を占めるのは銀行等金融セクターである。金融セクターは長短金利差が大きい程収益が大きい。それは金融機関は預金等で短期の資金調達を行い、国債等長期の投資を行い、長短金利差を稼ぐからである。したがって長短金利差が接近している現在米国の金融機関は金利収入を伸ばしにくくなっているのである。

エコノミスト誌の論調によれば米国株の低迷も底が近そうということだが、一方それは資源高で株価が高くなっていた新興市場(ただし中国等例外はある)にクールダウンがあることを予想させる。コントラリアン(contrarian:逆張り投資家)ならそろそろ米国株投資を考える時期なのかもしれない。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする