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【イディオム】TINA 米国株一人勝ち時代の終わり

2015年04月15日 | 英語・経済

昨日(4月14日)のCNBCに、Bye-bye USA: Investors putting money elsewhere(さよならアメリカ、投資家は世界各地に投資)という記事がでていた。

その冒頭の文章が、Much of the U.S. stock market's meteoric rise over the past six years has been predicated on an acronym that Wall Street refers to as TINA -There is No Alternativeだった。

「過去6年間の米国株の華々しい上昇の多くの部分は、証券業界がTINAと呼んだ「他に代替(する投資先)なし」という頭字語に根拠を置くものだった」

TINAという言葉はあまり見かけない頭字語だし、これから先投資家は米国以外の高いパフォーマンスが期待できる市場に資金を振り向けていくから投資の世界では死語になるかもしれない。

今年に入って米国株はS&P500が1.8%の上昇にとどまったのに対し、日経平均は14.1%上昇、香港A株は27.8%、フランス株(CAC 40)は22.1%と米国以外の株価の上昇率が大きい。

米連銀は年内に政策金利を引き上げる可能性が高いと予想されるが、日銀と欧州中銀は緩和政策を持続すると考えられている。また米国の多国籍企業がドル高で収益が低下すると予想されるのに対し、欧州や日本の企業は通貨安メリットを享受すると考えられるからだ。

だが理由はそれだけではない。米国の投資家の中には米国株が上昇しすぎて危険水域に入っていると判断し、手控えている人が増えているのではないか?と考えられる。

コレクション(10%以上の株価調整)を予想する人が、引き合いに出すのが、Buffet指数だ。

 

Buffet指数は株式の時価総額をGDPで除したもので、相場の過熱ぶりを測る物差しだと言われている。

そのBuffet指数がリーマンショック前の水準を上回り、2000年のITバブル崩壊前の水準に近づきつつある。米国株のハードランディングを避けるためにも、これ以上の高値追いはやめて、他の市場に目を向けることは良いだろう。

だが米国以外の市場が経済のファンダメンタルな強さにおいて、米国と比肩するかとなると私は疑問を感じている。その点ではやはり米国はTINAかもしれない。問題は米株が買われ過ぎたことにあるのだろうか?

 

コメント
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