金融そして時々山

山好き金融マン(OB)のブログ
最近アマゾンKindleから「インフレ時代の人生設計術」という本を出版しました。

無職と書くかわりにpensionerと書く方法がありますよ

2016年10月19日 | うんちく・小ネタ

滅多に読まない新聞の読者投書欄だが、今朝たまたま読売新聞の投書欄に70代の元大学教授が役所などに提出する職業欄に無職と書かされるのに抵抗を覚えるという一文を寄せているのが目にとまった。

日本ではあまり一般的ではないと思うが、退職者は職業欄に無職ではなく、年金生活者と書くのが海外では一般的だという話を聞いたことがある。日本人でも退職者が海外旅行をするとき、職業を記入する場合は「無職」ではなくPensionerと書くべきだと言われている。無職と書くと収入がない人だと思われ、入国管理局などが不安になるからだ。

私は昔企業年金関係の仕事をしていて、米国のステートストリートと一緒に仕事をしていたことがある。ステートストリート銀行は年金や投資信託といった信託業務を取り扱う米国の大手信託銀行だが、その幹部は常に「自分たちは年金業務を通じて退職者たちの尊厳を維持することを目指している」とコミットメントを述べていた。

米国流のレトリックがあることは割り引いて考える必要があるが、独立した収入源(政府や家族に頼らない)が退職者の尊厳を確保していることは間違いない。

年金、少なくとも企業年金は退職金の延払いであり、退職金は給与の後払いであることを考えると年金は決して誰から与えられる「恩給」ではなく、自分が稼いだお金なのである。

Pensionには年金という意味の他、家族経営の小規模宿泊施設という意味もあるが、語源は同じらしい。つまり退職した人が将来の収入のために、自宅などを改装して宿泊施設にしたことによるという。

中国の古典(管氏)に「衣食足りて礼節をしる」という言葉がある。生活が豊かになるとおのずと道徳心が向上するという意味だ。古代ローマは市民層が崩壊したことにより滅亡した。

これからますます高齢化が進む日本では「高齢者」としっかり市民と位置付ける必要がある。無職と書くよりはpensionerと書く方が良いと私は考えている。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

オバマ大統領、トランプに泣き言はやめろ、と警告

2016年10月19日 | ニュース

米大統領選挙も最終段階。ここにきて支持率低迷や性的暴行疑惑に苦しむトランプ候補が、大統領選挙で大規模な不正投票が行われているという持論を展開している。主張の中身は「市民権を持たないものが民主党に投票する」「有権者登録が不正確」というものだ。

このトランプ候補に対して先週末オバマ大統領がstop whining about 8 Nov. election being rigged「11月8日の大統領選挙は不正操作がされていると泣き言をいうのは止めなさいと警告を鳴らした。

Whineは「かん高い声で雑音をたてる」「不満をのべる」「幼稚な方法で物乞いをする」という意味だ。発音は飲むワインwineと同じ。理不尽は要求をする相手に「いい加減にしろ」という場合に使えるので覚えておいてもよいかもしれない。

Rigは「船に艤装する」とか「石油の採掘装置」という意味で知っている人が多いと思うが、選挙や入札で不正操作をするという意味もある。

オバマ大統領は「自分の人生の中で、あるいは現代の政治史において、大統領候補が選挙前に選挙制度の信頼を損ねるような発言をしたのは見たことがない」とトランプ候補をたしなめた。

トランプ候補の発言に対して、共和党の副大統領のベンス氏は「共和党は選挙結果は絶対に受け入れる」と火消しに動いている。

このような暴言が続くとトランプ候補の墓穴は広がる一方だと思うのだが、選挙が終わってもゴタゴタがありそうな気もする。

泣き言をいうとか、幼稚な方法で物乞いをするなどというのは、リーダーとして最も恥ずべきことだと考えるのはどの社会でも同じだろう。

トランプという男には美学がないのだろうか?

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする