来週顧問先で今年入社した新入社員向けに話をすることになっている。顧問先は技術系の会社で新入社員は全員理科系なので、4月の研修会ではあえて文系的観点から「これからの企業社会では社会的知性と創造的知性が必要だ」という話をした。抽象的な話だったので、どれ位共感を得られたは分からない。
入社して半年経ち、周りのことも少し見えてきただろうから、今回はもっと具体的な話をいようと考えている。
それは「よくできる先輩や上司の良い習慣を真似しよう」という話だ。企業研修的な言い方をすると「ハイパフォーマーの行動特性を見習おう」ということになるが、結論だけを述べたのでは間持がしないので少しひねってみた。
つぎのような箴言がある。
「心が変われば態度が変わる 態度が変われば行動が変わる 行動が変われば習慣が変わる 習慣が変われば人格が変わる 人格が変われば運命が変わる 運命が変われば人生が変わる」
どこかにヒンドゥ教の教えだ、と書いてあったが出所が書いてなかったので本当かどうかは分からない。中間を飛ばすと「心が変わると人生が変わる」ということになり、仏教哲学にもつながるので、ヒンドゥにもこのような教えがあっても不思議ではないとは思うが本当のところは分からない。
この言葉は真実だろうと思うが心を変えることは中々難しい。人が心を変えるには、相当インパクトのある経験をすることが必要だと私は考えている。
そこで一部の原因と結果を逆転させて、習慣が変われば行動が変わる。行動が変われば運命が変わる。運命が変わると人生が変わる。人生が変わると心が変わるという循環を考えてみた。
心を変えることに較べると習慣を変えることは簡単である。たとえば禅宗では心を見つめ心を変える修行としての「座禅」と並んで日頃の立ち居振る舞いを重視する。また作務という掃除や食事の準備という仕事も重視する。簡単にいうと正しい立ち居振る舞いや骨惜しみしない作業を続けるという形を積んでいくことが心の修行につながり、心を変える場合があるということだろう。
会社員の場合はもっと功利的に考えても良いと私は思っている。
引き受けた仕事や他係からの依頼に対する期日厳守、的確・簡潔なメールの作成、明解な話しぶりといった習慣が身についてくると周りや上司の信頼感が高まってくる。信頼感が高まると大きな仕事を任される可能性が高まる。すると少しずつ運が向いてくる。「自分はついている」と思うようになると人生に対する見方がポジティブになってくるという良い循環が起きるだろう。
大きなことを考える前にまず小さなことでも「良い習慣」を大事にしていこう。そうすると行動が変わってくる。周りの人は見ていないようで見ているものである(逆また真なのだが)。だから良い習慣を身につけることは人生を変える一歩なのである。
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