金融そして時々山

山好き金融マン(OB)のブログ
最近アマゾンKindleから「インフレ時代の人生設計術」という本を出版しました。

大学山岳部とOB会に関する雑感

2016年11月28日 | 

これは随分マイナーな話題なのだが、少し気になる文章などを読む機会があったので、思うところ書き留めておきたい。

先日昔私が所属した大学山岳部のOB会が東京で開催され、関西から事務局の人が来て、「歳の差を越えて、現役・OBがフランクに話し合える場を作っていきたい」「海外登山に対する情熱の火を消さないようにしたい」といった趣旨の話をしていた。

運動部の中で山岳部というのは、目標設定の上でかなり特殊なクラブである。大方の運動部は「全国大会で上位に入る」とか「シード権を守るべく選手を強化する」といった具体的な目標を共有しやすい。

ところが国内はもちろんのこと、海外においても未踏峰や未踏ルートが極めて少なくなった現在、山岳部とOB会は具体的な目標を共有し難くなっていると思う。

また「そもそもなぜ山に登るのか?」「一旦始めた山登りは生涯続けないといけないのか?(続けないと一流のOBとはみなされないのか?)」「いつまでも大学時代の山仲間と登り続けることが一番良いことなのか?」という基本的な疑問を持つ人もいるのではないか?と私は考えている。

これらの問いに対して私は恐らく主流派とは異なる考え方を持っている。

「なぜ山に登るのか?」ということについては楽しいからである。なぜ楽しいか?というと我々は「未知を求めて遠く旅する」という本能を持っており(それ故にアフリカで誕生した人類は世界の果てまで生活圏を広げることができた)、登山という行為はその本能を満足させるからである。

従ってその本能を満たすのであれば、別の手段をとっても構わないと私は考えている。

学生時代は山登りに没頭していても、社会人になって別の形で未知の世界を極める喜びを知り、その世界に入ればそれはそれで良いのである。

最近モンベルの季刊誌OUTWARDでモンベル代表の辰野勇氏と霊長類学者の松沢哲郎氏の対談を読んだ。松沢氏は京都大学山岳部のOBで、ヒマラヤのヤルンカン(カンチェンジュンガ西峰)遠征に参加した本格的登山家。現在は京都大学学士山岳会の会長でもある。松沢氏とは学生時代に関西岳連の委員として何回か顔を合わせており、懐かしく記事を読んだ。

松沢氏の話の趣旨は次のようなことだ。「二度目のヒマラヤ遠征(カンチェンジュンガ縦走)で自分は登山家として二流だということがはっきり分かった。(それゆえ)自分は学問の世界で身を立てその学問(チンパンジー学)をしっかりやっていくと決断した」

私は松沢氏と歩んだ道は違うが、当時発展著しかった金融工学の実務への応用ということに30代から40代を費やした。金融技術が身を立てる道だと自覚していたからである。

そして暇になった今また元の職場の仲間たちと簡単な山登りを楽しんでいる。

山登りの楽しみ方は山に登る人の数ほどあって良いと思う。ただ大事なことは今を大切にすることだ。

ドイツ文学者でエッセイストの池内紀氏は「前へ、前へ」というエッセーの中で「思い出を語るのはこころよいが、新しい何かが見つからないかぎり過去自体に意味はない。しめっぽさを友情と錯覚しないことだ。・・・過去にもどるのは市の前の一瞬でいい」と書いている。

私がOB会とやや距離を置いているのも過去の話にあまり興味がないからだと私は思っている。

 

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盛り沢山だった11月もあと3日

2016年11月28日 | 日記・エッセイ・コラム

1日は24時間、1ヶ月は大体30日か31日である。しかし時の流れは一様ではない。時にイベントが重なり、時に暇な時間が流れる。

11月は私にとってイベントが重なった月だった。10日までネパールに行っており、その後相続学会の研究大会があった。そしてその後高齢の親父が消化器系で不調を訴え、病院に検査に行き、日頃元気なワイフも少し体調を崩すという出来事が重なった。

ネパール旅行については二つの団体から会報に寄稿を求められ、更には親密先の現地旅行会社に日本人観光客向けのHPを作る準備に入るということもあった。

また来月初には顧問先で今年の新入社員に講話をするのでその準備を進めたり、学会の決算(10月が年度末)準備をし、来年度の事業計画を作成するという作業も残っている。

多忙という言葉は「忙」という字が「心を失う」と書くので、極力使わず「イベントが重なる」という言い方をしているが、世間的にいうと結構忙しい月だった。

重なるイベントをこなしていく上で、役に立ったのは一つの心がけと新しく利用し始めたインターネット上のアプリケーションだった。

一つの心がけというのは「段取りと目先のことからこなすバランスを重視する」という日頃の習慣である。段取りというのは後工程を考慮して、作業を行い重複を避けるということである。目先のことをこなすとは余り後工程のことを考えずに、とりあえず目先発生するタスクを処理していくということである。

事務的なことは後先をあまり考えずに(つまりまとめて一括処理をするなど)、目先のことから片付ける方が速い場合多いというのが私の経験則である。

新しく利用し始めたアプリというのはマイクロソフトが提供しているSWAYである。これは写真・文章・インターネット上の参照リンクなどを簡単に一元化するとともに、ストーリー的な展開を可能にするアプリだ。クラウド上のアプリなので、URLを取り込むと誰でもどのようなデイバイスからでも見ることができる。公開性が高い一方守秘性が低いことが気になるが、それを承知で使うと非常に便利なツールだ。

ネパールから帰国した後、直ぐにSWAYを使って、写真中心の報告書をまとめた。記録と記憶が新鮮な方が旅行記は作成しやすい。そしてSWAYであれば、色々な会合でも簡単に発表することができる。元ネタがしっかりしていると、異なるタイプの読者向けに記事をかくことも容易(たやす)い。

HPづくりの提案もSWAYで行った。見栄えはパワーポイントの方が良いかもしれないが、作成する手間は圧倒的にSWAYの方が少ない。

基本的な段取りができると、行動に余裕ができて、多少の突発的な出来事を吸収することができる。行動管理の要諦は、できることはできるだけ早めに済ませて、常に余裕を持っておくことだと思う。

年をとってくると、我が身のこと、家族のことで突発的なことが起こり易い。それに対応するには、色々な段取りをサポートするIT技術をできるだけ活用することであると感じた1ヶ月だった。

 

 

 

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