3人いる姪(弟の子ども)の1人が結婚するという話を最近聞いた。
この姪は動物好きでその道の専門学校を出た後、動物園と水族館の複合した施設で動物の飼育や展示?に係わる仕事をしている。
私の両親から見るとこの姪を含めて5人の孫がいるが、孫の中で初めて結婚するのがこの姪である。高齢の両親にとっても遺伝子がつながっていく可能性ができたことは大変うれしいことだろうと私は思っている。
この動物好きの姪とこの前リチャード・ドーキンスの利己的な遺伝子の話をしていたら、「そんな話を聞いたことがあり、興味があるので読んでみたい」ということになった。ドーキンスの利己的な遺伝子は私の本棚の中にあるからプレゼントしようと思っていたが、ちょっと探したところ見当たらない。
そこで簡単に見つかった竹内久美子著の「そんなバカな!」~遺伝子と神について~をプレゼントすることにした。この本は簡単にドーキンスの利己的遺伝子論を解説しているので、動物好きの彼女には参考になるはずだ。
本を贈る前に再度チラッと読み返してみた。最初にでてくる話はJ.B.S.ホールデンの「二人の兄弟か八人のイトコ」という話だ。
これは血縁度から見ると二人の兄弟、あるいは八人のイトコをそろえると自分一個体分の遺伝子が揃う可能性を示してるという話である。
生物には遺伝子を残したいという本能がある。遺伝子には親⇒子⇒孫・・・という直系でつながると考える場合がほとんどで兄弟やイトコというバイパスを忘れがちだが、少し考えてみると我々は兄弟やイトコと意外な大きさで遺伝子を共有していることが分かる。
ちなみに片方の親と子は遺伝子を1/2共有する。兄弟もまた遺伝子を1/2共有する。遺伝子の共有割合を血縁度というから兄弟の血縁度は1/2だ。
イトコの血縁度は1/8なので、イトコ8人と兄弟2人の血縁度の合計は等しいことになる。
甥や姪の血縁度は1/4なので、2人の子どもと4人の甥・姪の血縁度の合計は等しいことになる。
これは確率的な話で甥や姪の中には特定分野における遺伝子を多く共有しているものがいるかもしれない(生物学的に正しいかどうかは知らないが)。
私は中学生や高校生の頃生物学が大好きで一時その方面に進もうか?と考えたこともあるので、今度結婚する姪の中にある親近感を覚えることがある。
そのことは別としても私が姪の結婚をうれしいと思うのは、1/4の遺伝子を共有しているからである。
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話は飛ぶが遺産相続争いは時として兄弟姉妹の中に修復し難い対立・憎しみを生む場合があるという。
少し立ち止まって兄弟とは1/2の遺伝子を共有していることに思いをめぐらしてはどうだろうか?
仮に自分が少し譲ってそれで兄弟やその子(甥や姪)たちがその分幸せになり、繁栄するとすれば自分が持っている遺伝子と同じ遺伝子が繁栄することになるとホールデンは教えているのだが・・・・