WSJによると米国の公的年金(ソーシャルセキュリティ)で、今年度年金支払額が掛け金収入を上回る事態が発生する見込みだ。これは1982年以降で初めてのこと。
年金掛け金を上回る年金給付が続くと、約3兆ドルある基金は2034年には枯渇する見込みだ。
もっとも米国の年金制度は賦課方式を取っているので、基金が枯渇しても年金受給者が全く年金を貰えなくなる事態が発生する訳ではない。ただしWSJによると議会が年金制度を支えるような法律改正を行わないと年金額は3/4に減ってしまう可能性があるという。
年金給付が掛け金収入を上回る事態は予想よりも3年早くやってきた。これは部分的には経済成長率が予想より低かったことに原因があるという。個人的には米国の経済成長は潜在成長率に近いレベルなので短期的にこれ以上の成長率を期待することは難しいような気がするが・・・
ところで日本の厚生年金の収支はとりあえず3兆円の黒字(平成28年)であるが、専門家の間では早晩赤字に転じると予想する人が多い。ただ冷静な議論はまだ始まっていないような気がする。